病院での治療や介護サービスの費用について患者さんから相談されたら、看護師はどう答えればよいのでしょうか。看護師FPが詳しく解説します。

患者さん

サービスが増えると、かかるお金も増えるんでしょう? 最低限のサービスだけにできない?

看護師

希望される介護サービスが予算内で受けられるように、○○さんの生活やサービスに関する希望を伺わせてください

介護サービスの費用は患者さんからよくある悩みのひとつ

 こちらは、介護サービスが開始される際によく聞かれる悩みです。在宅移行支援にかかわる病棟看護師や退院支援看護師は、患者さんから介護サービス費用の悩みを打ち明けられることも多いのではないでしょうか。また、「施設はお金がかかりすぎるから、退院したとしても入れないんだよ」といった、施設入所費用についての悩みを聞くこともあるかと思います。

介護サービスへの理解度や費用の認識を再確認しよう

 介護サービス費用に直接かかわるケアプランを作成するのはケアマネジャーですが、看護師は患者さんや家族に医療的ケアの指導を行うとともに、患者さんに近い存在として生活・生き方への希望を引き出したり、介護サービスへの理解度・費用に対する認識を確認できると、ケアマネジャーとの連携にもつながるのではないでしょうか。
 また、入院中にMSWと連携して介護保険を申請していくことで、スムーズな在宅移行にもつながります。

 次に、患者さんへの介護サービスの理解度の確認や、費用の認識を確認するうえで必要な情報を確認していきましょう。

患者さんと確認したい内容

1-1 介護サービスの費用に対しての認識

 子育てなどと違い、介護費用は「いつまでかかるかわからない」という不安を抱えていることも少なくありません。そこで、患者さんがどのくらいの費用を想定しているのかを確認していく必要があります。

 生命保険文化センターの介護費用データによると、2021年度の介護費用の月平均は8.3万円(在宅4.8万円、施設12.2万円)で、住宅改造や介護用ベッドの購入費など一時的な費用の合計は平均74万円です¹。
 介護期間は平均して5年と1か月ですので¹、介護費用の総額を計算すると平均約580万円にもなります。施設と在宅では費用が大きく変わりますが、介護サービス費用に関しては介護保険を利用することで、一定額までに抑えることが可能です(図1)²。

図1 介護保険制度における利用者負担

介護保険制度における利用者負担
(文献2を参考に作成)

 収入にもよりますが、年金収入のみの場合は1割負担であることが多いです。介護給付1割負担の場合の自己負担額の例を見てみましょう(居宅サービスを上限額まで利用した場合、表1)³。

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