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多職種連携のリアル【第9回】職種によって意味合い・ニュアンスが違う言葉
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共有したいケア実践事例【第5回】離床がなかなか進まなかった患者さんの事例
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ストーマ管理のギモン【第12回】ストーマケア用品は、患者さんの個別性に応じてどう使い分ける?
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PICSにさせない看護のコツ【第7回】PICSの予防対策:精神障害予防のためのICU日記の活用
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ナースの臨床推論【第8回】全身倦怠感と食欲低下[Step2]フィジカルアセスメント[Step3]気になる情報をさらに深める
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もう迷わない!胸腔ドレーン管理【第14回】排液はどう観察する?
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症例写真でわかる!褥瘡・創傷ケア【第9回】脊髄損傷や半身麻痺があるときの予防
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考えるナース【第5回】「質問を重ねる」ために必要なことは?
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共有したいケア実践事例【第5回】離床がなかなか進まなかった患者さんの事例
皆さんが看護師として、日々行っている臨床現場での「実践」。それらは、どんな“気づき”をきっかけとして起こるのでしょうか?また、“患者さんの力”をどう引き出すのでしょうか? 事例紹介をもとに、看護介入をナラティブに伝えます。 離床がなかなか進まなかったAさんへの「介入のきっかけ」 Aさん、50代の男性患者。工務店を経営し、仕事は多忙期。妻、息子、娘夫婦と孫と同居。特に既往歴なし。 Aさんは、不調の際「いつもの喉風邪だろう」と市販薬を飲み過ごしていたのですが、数日間のうちに敗血症に陥ってしまい、生命の危機的状況にさらされることになってしまいました。 病名は、扁桃腺炎を起因とする頸部膿瘍、降下性壊死性縦隔炎、右膿胸で、救命治療のためには外科的治療以外の選択がない状況でした。そして、緊急手術(胸腔鏡下胸腔掻爬、縦隔切開、深頸部膿瘍切開ドレナージ術)を受け、術後にICU入室となりました。 ICUでは、感染源のコントロールのために持続的前縦隔洗浄が行われ、術後も非常に苦痛を伴う治療を受けざるを得ませんでした。また、遷延する敗血症により全身の消耗は激しく、日を追うごとにAさんは抑うつ傾向を示すようになりました。 このように混沌とする状況のなかで、さらなる問題がありました。それは、術後11日目に敗血症が重症化したことを契機に、深頸部に膿瘍が再形成されているのがわかったことです。Aさんは再手術(深頸部膿瘍切開ドレナージ術)を受けなくてはならなくなりました。 また、人工呼吸器からの離脱困難な状況*にもあったため、あわせて気管切開術を受けることとなりました。 その後、原疾患のコントロールを図ることができ、敗血症から離脱することはできましたが、身体的・精神的な問題があり、Aさんの離床やリハビリテーションはうまく進みませんでした。 *人工呼吸器離脱困難の原因は、今回新たに発覚した重度のCOPD(ヘビースモーカー:ブリンクマン指数〈BI〉=900)、敗血症に伴う廃用、右膿胸に伴う広範囲無気肺。 筆談の拡がりから得た情報 第15病日ごろより、ST(言語聴覚士)も介入し、経口摂取が開始されました。 その日、いつになくAさんの表情は凜(りん)としていました。昼食を終えたAさんは端座位になり、TVを観て笑っていました。 また食後には口腔ケアを自分で行った様子で、そばには使い終わった歯ブラシ、含嗽したあとのガーグルベイスン、手鏡と電動髭剃り、顔拭きタオルが、オーバーテーブルに整頓され置いてありました。 私は“何となくの予感”を覚え、Aさんと話(筆談やジェスチャーでの会話)をしてみようと思い、ベッドサイドにふらっと立ち寄り、担当看護師(以下、担当と表記)も交えて筆談しました。 筆者「あれ? Aさん、ずいぶんとシャキッとしましたね!かっこいいですね!」 Aさん「(笑いながら照れて数回うなずき)さっきも(担当看護師を指差し)言われた。そう言ってくれるのは看護師さんだけ」 担当「毎日、夕方の面会のとき、みんなで一緒にTV見たり、本当に仲いいなって、うらやましいなって。だから絶対、ご家族もかっこいいって言いますよ」 Aさん「(笑いながら手を横に振り)この間、孫が生まれて、みんなそっちに(写真を見せてくれる)」 その日のAさんは、笑顔にあふれ、淡々とした筆談からも、話の拡がりが感じられました。私たちは写真を見ながら会話を進めました。 担当「わあ、かわいいですね。娘さんのお子さん?」 筆者「そうすると、Aさんはおじいちゃんですね?」 Aさん「そう。でも、いま、寝たきりのおじいちゃん(笑いながら)」 担当「寝たきりのおじいちゃん?」 Aさん「(人工呼吸回路を指差し)ほらこれ、なんだかこれ体の一部(笑っている)。邪魔をする。動こうとするとき。こうすると咳、ヤッカイ。(体を左右に動かして回路が引っ張られて気管切開チューブにテンションがかかる様子をジェスチャー)」「だから“寝たきりのおじいちゃん” 。リハビリ。立てない、だめ」 筆者「寝たきりのおじいちゃん?だめ?」 Aさん「うん。リハビリ。(ハアハア肩を動かしながらそのときの様子を真似して)ドキドキ、痛い、苦しい」「(首を傾げながら)息できない、アブナイ、悪くなる」 担当「危ない? 悪くなる?」 Aさん「普通のとき→大丈夫」「動く→ここ(創部、ドレーン刺入部を指し)がまんできなくなる」「また急に手術、管(ドレーン)入る、いやだ(笑顔で)」 次のページ看護チームでの意識の変革
特集記事ストーマ管理のギモン【第12回】ストーマケア用品は、患者さんの個別性に応じてどう使い分ける?
【第12回】ストーマケア用品は、患者さんの個別性に応じてどう使い分ける? 選択基準を参考にしながら、実際の患者さんの状態と照らし合わせて決定 このブロック以降のコンテンツは非表示になります ストーマ装具選択には、エキスパートの実践とコンセンサスを基に作成された以下の基準があります1。 決められた交換間隔で交換が可能で、ストーマの外科的合併症がない患者を対象としたストーマ装具を選択する基準 ●結腸ストーマと回腸ストーマには消化管ストーマ装具を選択する。 ●尿路ストーマには尿路ストーマ装具を選択する。 ●回腸ストーマと尿路ストーマには耐久性が中期用から長期用の皮膚保護剤を選択する。 ●消化管ストーマには開放型ストーマ袋を選択する。 ●尿路ストーマには尿路用ストーマ袋を選択する。 ●水様便と尿には耐久性が中期用または長期用の皮膚保護剤を選択する。 ●有形便には耐久性が短期用または中期用の皮膚保護剤を選択する。 ●尿には尿路用ストーマ袋を選択する。水様便と有形便には開放型ストーマ袋を選択する。 ●ストーマ周囲皮膚が陥凹していれば凸型装具を選択する。 ●ストーマ周囲皮膚が山型あるいは平坦していれば平板装具を選択する。 ●ストーマ周囲皮膚が陥凹していれば硬い面板を選択する。山型であれば柔らかい面板を選択する。 ●ストーマに連結するしわがある場合には凸型装具を選択する。 ●ストーマに連結するしわのある場合には硬い面板を選択する。 (文献1より一部改変して引用) 文献1には、選択を推奨する状況や、「硬い面板はストーマ周囲皮膚の陥没やストーマに連結するしわのある場合には選択する」「やわらかい面板はストーマ周囲皮膚が山型であれば選択する」といった大事なことが記載されています。 ストーマケアに興味がある方はぜひ一度読んでみてください。 皮膚が弱い(テープにアレルギー反応がある)患者さんでの選択 皮膚が弱い患者さんとして、テープにアレルギー反応を起こしやすい患者さんを想定して解説します。 粘着剤にアレルギー反応を起こしやすい患者さんは、SISが入っている皮膚保護剤を避けることが多いです。SISはそれ自体に粘着性がないため、SISが含まれた装具では粘着剤を添加しているといわれています。 そのため、粘着性は高まるので長期の交換間隔にできる一方で、粘着剤が合わない場合はアレルギー反応を起こすこともあります。 したがって、皮膚の弱い患者さんでは、短期または中期用皮膚保護剤の装具を選択することが多いです。長期用を希望する場合は、皮膚被膜剤を併用することもあります。 引用文献1.大村裕子,秋山結美子,石澤美保子,他.: 社会復帰ケアにおけるストーマ装具選択基準の一提案.日本ストーマ・排泄会誌 2009;25(3): 140 参考文献1.秋山結美子:[総説]ストーマ装具の分類と評価. 日本ストーマ・排泄会誌 2021;37(3):55-63. ストーマ管理のギモン【第13回】ストーマケア周囲が陥没し、水様便が続く患者さんでの装具の選択は?(5月15日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2022年7月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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PICSにさせない看護のコツ【第7回】PICSの予防対策:精神障害予防のためのICU日記の活用
ICU日記は、集中治療による歪んだ記憶を正すツール ICU日記は集中治療によって歪ゆがんでしまった記憶を正し、心理的回復を促すツールとして注目されています。これは、ICU滞在中に医療者・家族が患者の様子を書き綴り、患者の経験を説明するために保管しておくものであり、HarveyらはPICS発症の予防戦略の1つとして紹介しています1。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります PICS発症の予防戦略●補正可能なリスク因子の除去●早期運動療法●退院後フォローアップ●早期からの心理学的介入●ICU日記●癒しの治療環境●身体的・認知的・精神的状態の推移に関するチェックリスト●ABCDEFGH(第3回参照)バンドル活用による早期抜管、早期ICU退室●PADガイドラインに基づくせん妄の予防(文献1より改変して引用) ICU日記は、患者の立ち位置や現在の状況などの見当識の把握を助け、不安・抑うつ・PTSD症状を軽減することにより、PICSを予防する可能性があります2。日記をつけることは、患者のみならず家族のPTSD症状を減少させることが示されています3。 次のページICU日記に記載する内容・注意点
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