ICU在室中あるいはICU退室後、さらには退院後に生じるPICS(集中治療後症候群)。高侵襲の治療を受ける高齢者の増加に伴い、一般病棟でも注意しておきたいPICSについて、基礎的な知識からケアのポイントまで紹介しています。

【第1回】PICS(集中治療後症候群)とは?

 PICSは、近年の救急・集中治療領域のホットトピックスの1つ。提唱されるようになった背景や、その概念とは?

〈目次〉
●ますます重要になる一般病棟での重症高齢患者の管理
●新しく登場した“PICS”という概念

【第2回】PICSの代表的な症状とPICS-Fの影響

 PICSの代表的な症状が、運動機能障害、認知機能障害、精神障害。それぞれについて押さえておきましょう。また、生存者および非生存者の家族で発生するPICS-Fも知っておきたい概念です。

〈目次〉
①運動機能障害
・ICU-AWのリスク因子
②認知機能障害
③精神障害
●PICS-Fという概念

【第3回】PICSの予防策:ABCDEFGHバンドルとは?

 PICSの有病率を減少させるには、危険因子の予防や最小化が重要に。予防策の代表が、ABCDEバンドル、ABCDEFGHバンドルです。それぞれ詳しくみていきましょう。

〈目次〉
●危険因子の予防・最小化が重要
PICSの主な危険因子
・ABCDEFGHバンドル

【第4回】ICU-AWの診断基準とリスク因子:PICSの早期発見と予防策

 運動機能障害のうち代表的なものに、ICU獲得性筋力低下(ICU-AW)があります。その診断基準や、診断に必要な四肢筋力の評価について紹介しています。

〈目次〉
●ICU-AWの診断
・ICU獲得性筋力低下(ICU-AW)の診断基準
●ICU-AWのリスク因子
●ICU-AWの診断に必要な四肢の筋力の評価

【第5回】ICU-AW予防のための早期リハビリテーション

 ICUでの早期リハビリテーションは、筋力低下を予防します。患者の変化に注意しながら、慎重に積極的に取り組むことが大切です。

〈目次〉
●重症患者にも、早期からのリハビリが筋力低下の防止などにつながる
●重症患者にこそ、自分でできることは自分で行ってもらう
・一般病棟での早期離床や早期からの積極的な運動の適応外例

【第6回】認知機能障害予防のための環境整備とせん妄予防:PICSの予防対策

 ICUでのせん妄は、長期にわたる認知機能障害と関連することがわかっています。せん妄発症やせん妄の期間を減少させ、長期にわたる認知機能障害を予防するためには、環境を整えることが有効です。

〈目次〉
●日常生活とは異なる環境がもたらすさまざまな影響
●せん妄予防がPICS予防につながる
●ほかにも有効なPICSの予防方法

【第7回】ICUダイアリーを使ったPICS予防

 患者の心理的回復を促すツールとして注目されるICU日記。日記をつけることで、PICSを予防できる可能性があるといわれています。運用・活用方法をチェックしてみましょう。

〈目次〉
●ICU日記は、集中治療による歪んだ記憶を正すツール
●ICU日記に記載する内容・注意点
●ICU日記の実際の運用方法
●ICU退出後にもICU日記を続けるためには
●一般病棟でのICU日記の活用方法

【第8回】筋タンパク合成を促進する栄養管理:PICSの予防対策

 筋肉と神経が障害されるICU-AWは、重症であるほど体が弱り、ひどい場合はまったく体を動かせなくなることも。対策としては、栄養療法とリハビリテーションが2大支柱となります。

〈目次〉
●筋合成には栄養と運動が重要
●病気になっても運動や栄養が必要
●ICU-AW対策には低栄養と不動を打破する!
●急性期はoverfeeding(過栄養)に注意する
●タンパク質は十分に摂取しよう
●できるだけ腸を使い、静脈栄養を避ける
●エネルギー負債を考える回復期には十分な栄養を!
●連携が重要なリハビリテーションと栄養管理

【第9回】PICS-F予防のための家族への具体的なサポート

 家族の精神障害であるPICS-F。家族のリハビリテーションへの参加は、患者と家族双方の精神状態の回復に役立ちます。また、ACPについて学ぶことが、PICS-Fの予防と対策につながります。

〈目次〉
●家族の精神障害であるPICS-F
●PICS-Fを予防する家族のリハビリテーションの参加
●家族の役割機能の再獲得に向けたケア
●ACPからつながるPICS-Fの予防と対策

【第10回】PICS予防における多職種連携の重要性

 PICS対策は多職種で行えば1人ひとりの労力が少なくすみ、無理なく予防できます。今後のビジョンや具体的な行程を共有することが重要。多職種が連携するためのポイントを解説しています。

〈目次〉
●なぜ、PICS対策をみんなでやるのだろう?
●PICS対策には、多くの非医療従事者が含まれていることが望ましい
●PICS対策に向けて多職種で同じビジョンを共有しよう

【最終回】PICS予防のためのABCDEFGHバンドルを一般病棟で活用

 PICSの予防していくためのABCDEFGHバンドルは、一般病棟でどう使えばよいのでしょうか。症例を踏まえながら、看護師ができることをまとめています。

〈目次〉
●ABCDEFGHバンドルを一般病棟でどう使うか
A 毎日の覚醒トライアル
B 毎日の呼吸器離脱トライアル
C ①A+Bの毎日の実践、②鎮静・鎮痛薬の選択
D せん妄のモニタリングとマネジメント
E 早期離床
F 家族を含めた対応
G 良好な申し送り伝達
H PICSやPICS-Fについての書面での情報提供