なぜ、PICS対策をみんなでやるのだろう?
ここまでの文章を読まれたみなさんには、PICSというとなんだか新しい言葉のように感じられているかもしれません。ですが、そうではありません。昔から、少し調子が悪くなった患者さんは、ADLが低下したり、なんとなく認知機能が落ちていることを疑わせたり、あまりしゃべらなくなったりとしていたのではないかと思います。
そうした患者さんには、みなさん苦労された記憶があるのではないでしょうか。苦労して、答えがみえず、リハビリスタッフや皮膚・褥瘡を専門としている看護師・栄養士、それに家族などさまざまな人に相談したり、協力してもらったりしながら、なんとか元気になってもらったり、退院できるように調整したりしたはずだと思います。
ズバリ、その患者さん、今でいう「PICS患者さん」かもしれません。今も昔も、こうした患者さんは、あちこちの調子が悪くて、いろいろな人(専門家や家族含む)の助けが必要なのです。そして、いろいろな人の助けは、悪くなってからだけでなく、悪くならないように予防するときにも必要になります。多角的な目線でチェックすることで抜けなく、かつ、多職種で行うので1人ひとりの労力が少なくすみ、無理なく予防できるようになるというわけです。
PICS対策には、多くの非医療従事者が含まれていることが望ましい
多少、個人的な見解が入っていますが、協力が必要な方には、たくさんの非医療従事者が含まれているほうがよいと思っています。つまり、患者さんも、その家族も、また地域の人々にもPICS症状を知ってもらい、PICSを予防する早期に、治療やリハビリテーションに取り組むなどの姿勢が必要であると考えています。
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