食事によって影響を受ける代表的な検査値とは?円滑に検査を進めるために看護師が知っておきたい、患者さんへの説明のポイントも紹介します。
Q. 血液検査の「食後○時間後」という設定時刻からずれてしまったら?
A.
大きくずれると、変動の“ピーク”を外してしまいますが、多少のずれは“許容範囲”と考えられます。
食事による影響を受けやすい検査項目は?
例えば、食事による影響を受けやすい項目について考えてみましょう(表1)。血液検査項目のなかで、「血糖」「インスリン」「中性脂肪」「遊離脂肪酸」などは“食前”“食後”で検査値が異なります。
表1 食事の前後で値が変わる代表的な検査項目
血糖
・血中のブドウ糖濃度を示す
・インスリンやアドレナリンの安定した作用を調べる
〈食後の変化〉
・0.5~1時間をピークに上昇インスリン
・膵臓から分泌されるホルモン
・炭水化物の代謝調整を担い、糖新生の抑制や脂肪の合成促進・分解抑制の機能を調べる
〈食後の変化〉
・0.5~1時間をピークに上昇(血糖の動きに合わせて変化)中性脂肪
・脂肪酸とグリセリンが結合したもの
・動脈硬化性疾患の危険因子
〈食後の変化〉
・2~5時間をピークに上昇遊離脂肪酸
・体内に摂取した脂肪が分解されて生じる
・脂肪酸代謝に意味をもつ
〈食後の変化〉
・食後に低下(食事だけでなく、「朝食後から下降しはじめ、日中は低値のまま、夕食時間帯前くらいから上昇しはじめる」という日内変動の影響も強い)
食後の各検査値の変動
血糖は、食後0.5~1時間でピークになり、食後2時間を過ぎれば、空腹時と同等まで低下します。インスリンも血糖の動きに合わせて膵臓から分泌されるため、食後に増加します。また、中性脂肪は食後ゆっくり上昇し、2~5時間がピークといわれ、逆に遊離脂肪酸は食後に低下します。
このうち、血糖と中性脂肪の日内変動を検討したデータを図11に示します。炭水化物が主である朝食後は血糖が上昇します。昼食後は、摂取したカロリーが高いことから中性脂肪が上昇し、脂肪分・糖分をともに多く摂取する夕食後は血糖・中性脂肪ともに上昇すると報告されています1。
このように「食後〇時間後」という検査時間は、検査結果に深くかかわっているという認識が必要です。一方で、適切な時間での採取は重要ではありますが、数分ずれたからといって大きな数値の変動はないことから、厳密な時間の管理は不要とされています。
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