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看護現場におけるアンプロフェッショナル行動への指導法
新人看護師や中途入職者のアンプロフェッショナル行動に対する対応方法を解説。話し合いの進め方や行動を理解するためのフレームワークなどを紹介します。 目次●アンプロ行動を探る「10の質問」●アンプロ行動についての話し合い4ステップ●アンプロ行動を理解するためのプロフェッショナリズム・フレームワーク●アンプロ行動への対応の進め方 \アンプロフェッショナルな行動とは?/まずはこちらの記事をチェック! アンプロ行動を探る「10の質問」 アンプロ行動への対応には、学修者本人との話し合いを通じて行動の背景や意図を理解し、行動の修正を促すことが重要です。下記の「アンプロ行動を探る10の質問」は、学修者の視点や行動の背景を効果的に引き出し、対話を深めるための重要な指針となります。 ①事実に関する視点 「何が起こったのか?」 <質問の意図>学修者が状況をどのように認識していたかを確認する。具体的なできごとを明確にすることで、行動の背景理解が進む ②評価結果との整合性 「アンプロフェッショナルな行動と判断された結果に同意するか?」 <質問の意図>学修者が評価にどの程度納得しているかを把握する。この同意が話し合いの基盤となる ③意図 「何をするつもりだったのか?」 <質問の意図>行動の目的や意図を探る。これにより、行動が意図的なものか、無意識の結果であったかを区別できる ④信念 「何が起こると思っていたか?」 学修者の認知や期待を明らかにし、誤解や判断ミスの有無を探る ⑤文脈 「行動に影響を与えたのはどのような状況か?」 学修者が置かれていた環境や状況を理解する。環境要因は多くの場合、行動に大きな影響を与える ⑥パワー 「その状況を自分で変えることができたか?」 学修者の行動の選択肢や制約を探る。選択肢が限られていた場合、それを補う支援が必要となる ⑦他者への影響 「自分の行動は他者にどのような影響を与えたと思うか?」 学修者が他者視点で行動を振り返る契機をつくる ⑧感情 「今、どのように感じているか?」 学修者の感情面を理解する。自己反省を促し、行動の修正を受け入れる準備を整える ⑨原因 「プロフェッショナリズムを維持することが、他の人よりも困難な状況があるか?」 学修者が抱える個別の課題や困難を明らかにする ⑩計画 「次回、同じような状況になったとき、どのように行動するか?」 具体的な改善計画を立てる支援を行う アンプロ行動についての話し合い4ステップ 実際の話し合いは、次の4つのステップで進めます。 Step1:安心感を提供する環境の構築 学修者が自由に話せる雰囲気をつくることが第一です。批判的ではなく、支援的な態度を示すことが重要です。 Step2:具体的な事例に基づいた議論 抽象的な議論ではなく、具体的な行動や状況を中心に話し合いを進めます。これにより、行動の背景や意図がより明確になります。 Step3:相互理解をめざす 質問を通じて学修者の考えを理解するとともに、評価の根拠や期待される行動についても丁寧に説明します。 Step4:具体的な改善案の策定 最後に、学修者が自分で次回の行動計画を立てられるよう支援します。この計画が現実的であることを確認し、必要に応じて指導者としてのアドバイスを加えます。 * アンプロ行動への対応は、学修者との対話を通じて行動の背景を深く理解し、改善に向けたサポートを行うことが基本です。前項の10の質問を活用することで、学修者自身が気づきを得て行動を修正しやすくなるだけでなく、指導者としての役割を果たすうえでも効果的な方法となります。このような話し合いのプロセスを通じて、プロフェッショナリズムの向上をめざすことが重要です。 https://expertnurse.jp/articles/id=18429 アンプロ行動を理解するためのプロフェッショナリズム・フレームワーク 医療専門職教育において、アンプロ行動への対応は、単に行動そのものを修正するだけでは不十分です。「マルチレベルのプロフェッショナリズム・フレームワーク」1は、アンプロ行動をより深く理解し、効果的な対応を導くための体系的なアプローチを示しています。 このフレームワークでは、医療従事者の行動を6つのレベルに分け、それぞれに応じた支援と教育が必要であることを提案しています(図1)。6つのレベルについて解説します。 図1 マルチレベルのプロフェッショナリズム・フレームワーク ①ミッション(Mission) 最も内側に位置する「ミッション」は、看護師が「何のために看護職になりたいのか」「何をすることで心を動かされるのか」という個人的な使命感を表します。アンプロ行動が発生した場合、この根本的な動機が見失われている可能性があります。 ②アイデンティティ(Identity) ミッションに基づいて形成される「アイデンティティ」は、「どのような看護師になりたいか」という自己認識を示します。このレベルの混乱や曖昧さが、プロフェッショナリズムの基準から外れた行動を引き起こす要因となり得ます。 ③信念・価値観(Beliefs and Values) 信念や価値観は、「何に価値を置くのか」という意思決定の基盤です。患者さんをケアする、病気を治すといった価値観が明確でない場合、行動に一貫性を欠くことがあります。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります ④コンピテンシー(Competency) コンピテンシーは、行動を可能にする知識・スキル・態度の総体を指します。このレベルでは、知識不足やスキルの欠如がアンプロ行動につながることがあります。 ⑤行動(Behaviors) 「行動」は、外から直接観察され、評価される具体的なパフォーマンスを指します。これがアンプロ行動として表面化するため、指導者は表面的な行動に留まらず、その背後にある要因を探る必要があります。 ⑥環境(Environment) 最外側に位置する「環境」は、学習環境や個人的な環境を含みます。適切なサポートやリソースが不足している環境では、プロフェッショナリズムを維持することが困難になります。 アンプロ行動への対応の進め方 アンプロ行動への対応は、下記の順番で進めていきます。 ①行動の観察とフィードバック まず、表面に現れたアンプロ行動を観察し、具体的なフィードバックを行います。この際、評価は行動そのものに焦点を当てるのではなく、背景にあるレベル(ミッション、アイデンティティ、信念など)を探る契機とします。 ②コーチングと再教育 フレームワーク全体を理解しながら、再教育の必要性を判断します。特に、信念や価値観、アイデンティティの再構築を支援するためには、熟練した教育者によるコーチングが必要です。 ③環境の改善 行動が環境的な要因によるものである場合、職場や学習環境の改善を行います。適切なリソース(時間や人員など)の確保や支援体制の強化が重要です。 ④内省と自己認識の促進 学修者自身が内省を通じて、自分のミッションやアイデンティティを再確認できるように支援します。これにより、プロフェッショナリズムの根本的な理解が深まります。 ⑤段階的な成長の支援 フレームワークに基づき、学修者のプロフェッショナリズムの発展を段階的に支援します。それぞれのレベルでの課題を明確化し、1つひとつ克服するプロセスを促します。 * 「マルチレベルのプロフェッショナリズム・フレームワーク」は、アンプロ行動への対応を単なる行動修正に留めず、学修者の動機や価値観、環境までを包括的に見直すことを可能にします。指導者としては、このフレームワークを活用し、学修者がプロフェッショナリズムを内在化し、実践できるよう支援する責務があります。このアプローチを通じて、看護や医療の現場におけるプロフェッショナリズムを高め、患者ケアの質を向上させることが期待されます。 (第4回) 引用文献1.Barnhoorn PC,Houtlosser M,Ottenhoff-de Jonge MW,et al.:A practical framework for remediating unprofessional behavior and for developing professionalism competencies and a professional identity.Med Teach 2019;41(3):303-308. この次に読まれている記事 https://expertnurse.jp/articles/id=17935 https://expertnurse.jp/articles/id=17176 そのほかの連載記事 ※この記事は『エキスパートナース』2025年5月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像・動画等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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老年看護・認知症の記事・連載まとめ
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