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CTとMRIの違いは?それぞれの特徴と断面画像の見方を解説
脳の画像のなかで最も一般的な「CT」「MRI」の違いや特徴をわかりやすく解説。水平断・矢状断・冠状断など、画像の断面の見方の基本も紹介します。 CTとMRIの違いは? 前回の記事で述べたように、脳の画像の中で最も一般的なのは、「CT」や「MRI」です。 CTやMRIは病態に合わせてさまざまな撮影方法がありますが、“どの画像の撮り方がいちばんわかりやすい”というものではなく、それぞれに特徴があり、使い分けて撮影します(表1)。 表1 CT・MRI画像の違い (文献1を参考に作成) CTで脳画像を見る場面とは? CTは、脳出血やくも膜下出血、脳梗塞の鑑別や、水頭症、硬膜外(下)血腫、脳腫瘍などの鑑別に有用です。 特に脳卒中の場合、突然の発症に対し、早期診断・早期治療が求められます。このときCT検査は短時間で検査することができ、出血巣が白く(高吸収域)描写されるため、特に緊急時のくも膜下出血や脳出血の診断に優れています。 超急性期の脳梗塞巣は描写されませんが、時間が経過した脳梗塞の場合は黒く(低吸収域)描写されます。また、外傷時や骨性病変における骨の精査にも有用です。 こちらもチェック●くも膜下出血の症状と特徴的な所見とは?頭痛を起こすキラーディジーズ「くも膜下出血」の症状やメカニズムを紹介しています。 MRIで脳画像を見る場面とは? 明らかな出血性病変や虚血性病変がない場合で、臨床的に脳梗塞を疑う場合には、MRIを撮影します。超急性期の脳梗塞は、MRIの拡散強調像(DWI)という撮影方法で描写されることが多くあります。 MRIには、「MRI」「MRA」「造影MRI」「Perfusion MRI」など目的によってさまざまな撮影方法があります。MRIは骨の影響を受けないため、CTよりも頭蓋内の細かい病変を見ることができます。これらは脳腫瘍や脳動脈瘤、脳血管の狭窄などの詳細な疾患の鑑別に役立ちます。 またMRIでは、「T1強調像」「T2強調像」「拡散強調像」など撮影条件を変更することで、より鮮明に病変を見ることができます(表1)。表1で示したように、撮影方法によって低信号域や高信号域の見え方が異なり、それぞれの特徴を活かして病変の評価につなげていきます。 こちらもチェック!●脳梗塞を疑う症状と鑑別の判断基準「脳梗塞」の症状や特徴的な所見、初期対応、また危険な頭蓋外病変を解説しています。 CT・MRIの断面図の見方 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 画像の断面には水平断(すいへいだん)、矢状断(しじょうだん)、冠状断(かんじょうだん)があります(図1)。 脳解剖を理解しやすい水平断について説明します。水平断では頭の断面を下から見ているため、右と左は画像で見る際、左右逆に映ります。 CTやMRIでは、各画像のスライスでどの部位が描写されるのかを理解したうえで、左右の色調や大きさの違いを比較していきます。 図1 水平断・矢状断・冠状断 (第2回) 参考文献1.曷川元 編:脳卒中急性期における看護ケアとリハビリテーション完全ガイド.慧文社,東京,2015.2.波多野武人 編著:まるごと図解 ケアにつながる脳の見かた.照林社,東京,2016.曷川元,永谷悦子 監修:看護・リハビリに活かす脳神経ケアと早期離床ポケットマニュアル.丸善プラネット,東京,2009.3.荒木信夫,高木誠,厚東篤生:脳卒中ビジュアルテキスト 第4版.医学書院,東京,2015.4.坂井建男,河田光博 監訳:プロメテウス解剖学アトラス 頭部/神経解剖.医学書院,東京,2019.5.市川博雄:症状・経過観察に役立つ 脳卒中の画像のみかた.医学書院,東京,2014. この記事を読んだ方におすすめ●画像検査の情報を看護に活かすための見方と注目ポイント●X線画像やエコー画像の原理などを解説!観察とケアがつながる画像●そのほかの連載記事はこちら ※この記事は『エキスパートナース』2017年2月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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培養用容器の基礎知識:血液培養・細菌培養の容器の種類と検体採取時の注意点
培養用の特殊な容器にはどんなものがある?血液培養ボトルや細菌培養容器の種類や選び方、検体採取時の注意点について解説します。 Q. 培養用の特殊な容器とは?A.血液のような本来無菌状態にある検体の培養には、専用の容器を使用します。採取量は決められた量に従います。 細菌培養用の容器とは? 細菌培養用の容器には、図1に示した通りさまざまな種類があります。 原則、滅菌済みで、採取検体が乾燥しないよう気密性の高い容器を使用します。検体の種類に応じて適切な採取容器を選択する必要があります。したがって、それぞれに取り扱い上の注意点を把握しておく必要があります。 図1 細菌培養用容器 ネジコップ●喀痰、便など スクリューキャップ付きスピッツ●胸水や腹水、関節液などの穿刺液、カテーテル先端など 嫌気ポーター●嫌気性菌感染症を疑う検体 保存培地入り輸送スワブ●咽頭、創部、腟などのぬぐい検体 血液培養ボトルについての注意点 ①採血は抗菌薬投与前が原則 血液培養は敗血症や菌血症、感染性心内膜炎が疑われる場合や不明熱の場合に行われます。抗菌薬投与中の患者から採血すると、抗菌薬の影響を受けて菌の発育が抑制されてしまうことが知られています(偽陰性)。そのため、各社の血液培養ボトルには抗菌薬の影響を軽減する工夫がなされています(図2)。 ただし、血液採取は抗菌薬投与前に行うのが原則です。やむなく抗菌薬投与中の患者に行う場合は、投与を一時中止(1~3日)したあとに行い、中止できない場合は血液中の抗菌薬濃度が最も低い時期(次回の抗菌薬投与の直前)に採血することが推奨されています1。 図2 主に使用されている血液培養ボトル BD バクテック™ 血液培養ボトル (画像提供:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社) バクテアラートシリーズ用培養ボトル●各ボトルに添加された吸着ポリマービーズ(adsorbent polymeric beads、APB)がより広域な抗菌薬中和を可能にし、抗菌薬による血液培養検査への影響を軽減(カルバペネム系薬剤も不活化することが可能) (画像提供:ビオメリュー・ジャパン株式会社) ②最適量の血液を採取する ボトル内の液体培地には、血液中の殺菌物質を不活化する成分が添加されており、各ボトルでその効果を維持するための液体培地と血液の最良の比率が決められています。そのため、血液培養ボトルへの血液採取量はボトルごとの添付文書に従い、最適量にしなければなりません。決められた量より多く採取した場合、血液中にある殺菌物質の不活化が不十分となり、菌が死滅して検出率が低くなる可能性があります。また、決められた量より少ない場合、検出感度が低下する場合があります。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります ③室温のままただちに提出する 血液培養は緊急を要する検査です。そのため、原則として室温のままただちに検査室へ提出します。この検査では、低温に弱い菌種(髄膜炎菌など)が死滅しないよう冷蔵(4℃)は避けましょう。 また、検査室で自動血液培養検出装置(図3)を用いている場合、細菌増殖量の変化で陽性を判定するため、菌があまりに増殖しすぎてしまうとその変化を検出できなくなります。そのため採取後に室温で長時間放置すると、陽性とならない場合があります(偽陰性)。 図3 主に使用されている自動血液培養検出装置 BD バクテック™ FX システム、BD バクテック™ FX40 システム (画像提供:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社) バクテアラート 3D (画像提供:ビオメリュー・ジャパン株式会社) バクテアラート VIRTUO® (画像提供:ビオメリュー・ジャパン株式会社) 清潔な容器を使用する 基本的に細菌培養検査で用いられる容器は滅菌された容器を使用します。しかし喀痰、尿、便については必ずしも滅菌である必要はなく、清潔な容器であれば問題ないとされています。 ただし、便の場合には、採取時に水洗トイレの水の混入は避けなければなりません。その理由は水の混入により原因菌が死滅したり、以前の使用者の菌が混入したりするため2とされています。採便は採便用ディスポーサブル便器、または差し込み用便器などを用いて行います。 (第18回) 引用文献1.日本臨床微生物学会 編:血液培養検査ガイド.南江堂,東京,2013.2.山口惠三, 小栗豊子 監修:感染症治療の基礎 初期治療に役立つ検査 No.4 糞便.国際医学出版,東京,2007. この記事を読んだ方におすすめ●血液培養のための採血手順とポイント●「ベッドサイド検査手技の根拠」の記事一覧●そのほかの連載はこちら ※この記事は『エキスパートナース』2014年8月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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抗がん薬の曝露を防ぐには?混注・点滴・廃棄時の安全対策ガイド
看護師自身の身を守るために気をつけたい抗がん薬の曝露予防対策。今回は抗がん薬の混注、運搬、点滴、輸液交換・廃棄時で注意すべきポイントをわかりやすく紹介します。 抗がん薬(静注薬)混注~運搬の注意ポイントは? ①調整(混注時) 抗がん薬の調製は、教育を受けた薬剤師が安全キャビネット内で実施することが推奨されています(図1)。しかし、施設によっては看護師が病棟や外来等で実施することもあるため、教育を受けたうえで、十分な対策をとる必要があります。 図1 安全キャビネットでの調製(混注) 本来は薬剤師が安全キャビネットを用いて行うことが望ましい ■個人防護具(PPE) 必要なPPEを図2に示します。 図2 「抗がん薬の調製」時に必要な個人防護具(PPE) ■調製の手技 抗がん薬のバイアルに溶解液を入れる際や、バイアルから抗がん薬を吸引する際は、バイアル内の圧力に気をつけ、 エアロゾル化や漏れに十分注意することが必要です。 ■調製時の用品 閉鎖式薬物移送システム(CSTD、第3回参照)を適切に用いることで、漏れなどによる汚染を最小限にすることができます。 ■プライミング 点滴バッグへ、点滴ルートのスパイク針(輸液への穿刺針)を刺す、また点滴ルートのプライミングは、安全キャビネット内で、抗がん薬以外の薬剤(生理食塩液)を用いて実施することが推奨されています。 ②一時的な輸液保管とベッドサイドへの運搬 ■ラベル貼付 調製された抗がん薬は決められた場所に置き、他の薬剤と識別ができるようにラベルを貼付して保管しておく必要があります。 ■運搬 ベッドサイドに運搬する際は、手袋を着用します。また、汚染を拡げないようにするために、ジッパーつきのプラスチックバッグに入れて運搬することが推奨されています。 抗がん薬(静注薬)点適時の注意ポイントは? ①点滴ルート接続時の注意点 ■個人防護具(PPE) 抗がん薬の接続時にも、PPEを装着することが必要です。この場合は、「①長袖ガウン」「②手袋」「③マスク」「④保護メガネ」を使用します(図3)。 図3 輸液接続・交換の際のPPE 「交換」「接続」の場面でも漏れや飛散が起こりうる。適切なPPEを着用する ①長袖ガウン(不織布)②手袋(二重)③N95マスク④保護メガネ(ゴーグル) ■輸液と点滴ルートの接続 本来は薬剤部でプライミングまで行われるのが望ましいのですが(「①調製(混注)時」参照)、投与場所で点滴バッグへスパイク針を刺さざるを得ない場合は、目の高さよりも低い位置で行います(図4)。その後、抗がん薬を含まない薬剤(生理食塩液)を用いてプライミングします。 図4 輸液への点滴ライン接続 ■接続部の選択 点滴中に接続が外れたり、抗がん薬が漏れることを防ぐために、ルアーロック式の接続を用いることが推奨されます。また、点滴ルートの接続部に閉鎖式薬物移送システム(CSTD)を用いると、抗がん薬の曝露を防ぐことができます(第3回参照)。 ■環境への漏出 いかなる状況でも、抗がん薬をガーゼやシンク、ごみ箱などに入れてプライミングするなど、環境中に漏出させるような方法は行わないようにします。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 抗がん薬(静注薬)の輸液交換・廃棄時の注意ポイントは? ①輸液交換 ■個人防護具(PPE) 輸液の交換時にも、PPEを装着することが必要です。この場合、「①長袖ガウン」「②手袋」「③マスク」「④保護メガネ」を使用します(図2参照)。 ■点滴バッグの交換 スパイク針(輸液への穿刺針)の抜き刺しの際に、抗がん薬の曝露の危険性があります。そのため可能な限り、抗がん薬以外の薬液でプライミングした点滴ルートをつけた抗がん薬の点滴バッグごと交換する、または、バックプライミングをしてから交換します(図5)。やむを得ず抗がん薬の点滴バッグにスパイク針を抜き刺しする場合は、接続時同様に目の高さよりも低い位置で行うようにします。 図5 ルートを用いた抗がん薬のプライミング(バックプライミング) ②輸液終了 ■投与終了時のフラッシュ 投与が終了したら、抗がん薬を含まない薬液で点滴ルートをフラッシュします。 ③輸液バッグ廃棄 ■廃棄方法 点滴ルートは点滴ボトルから外さず、ルートごとジッパーつきのプラスチックバッグに入れて、貫通しない専用容器に廃棄するようにします(図6)。 図6 輸液バッグの廃棄方法 ①ジッパーつきのプラスチックバッグに入れる ゴミ箱から環境への曝露が起こらないよう“封じ込める”方法で廃棄する ②貫通しない専用容器に捨てる 抗がん薬の輸液がこぼれた場合の対応は? 抗がん薬がこぼれた場合、少量でも曝露の危険性があるため、適切に処理する必要があります。 なお、こぼれた際にはただちに対応できるよう、抗がん薬を調製・保管・投与する場所には、必ずスピルキットを準備しておきます(使用方法の説明書も含む)。また、適切に処理できるような訓練が必要です。 ■拡散防止 抗がん薬が入っている輸液がこぼれてしまった場合は、それ以上拡散させないようにすることが必要です。こぼれを発見した場合、まず、その場に人が近づくことがないように表示します。 ■個人防護具(PPE) 「①長袖ガウン」「②二重手袋」「③マスク」「④保護メガネ」を着用します。 ■回収 吸収性のあるパッドやタオルを使用して、すみやかにこぼれた輸液を吸収し、封じ込めます。吸収したパッドまたはタオルは、ジッパーつきプラスチックバッグに入れます。 ■エリアの洗浄 その後、こぼれたエリアを洗剤で洗浄します。その際、こぼれた輸液の外側から内側に向かって作業し、汚染のエリアをそれ以上、拡大させないようにすることが重要です。洗浄したエリアを水ですすぎます。 ■廃棄 最後にPPEを注意深く脱ぎ、ジッパーつきプラスチックバッグに入れて、専用容器に廃棄します。 ■手洗い その後、石けんと流水でよく手を洗います。 抗がん薬(経口薬)投与時の曝露対策 ①準備時 ■粉砕・混合 経口薬の破砕や液体との混合等は、吸入曝露の危険性があるため、安全キャビネット以外で行わないようにします。 ②投与介助時 ■介助手技 経口薬は、コーティング加工されているものが多いと言われていますが、基本的には患者に自分で内服してもらうようにします。やむを得ず患者への投与が必要な場合は、薬剤の飛散が生じる可能性があるため、手袋を着用して、可能な限り、直接薬剤には触れないようにします。 PTP包装シートの場合も錠剤には触れないように注意深く開封し、直接メディスンカップ等に入れるなどして、服用してもらうようにします。 ③保管・廃棄時 ■自宅で保管する場合 自宅では子どもや高齢者が間違えて内服しないよう、他の薬剤とは区別するなど、厳重に保管するように指導することが必要です。 ■薬剤の廃棄 経口抗がん薬の内服が中止になった場合等、使用しなくなった薬剤は、家庭ごみに廃棄するのではなく、医療施設に届けるように指導します。 抗がん薬(局注薬)投与時の曝露対策 抗がん薬は、静脈点滴以外に、「髄注」「膀胱内注入」「胸腔注入」「腹腔注入」等、さまざまな投与経路があります。基本的には、点滴の投与と同様に、抗がん薬を飛散させないことと、封じ込めることが重要です。 ①局所薬の投与介助時 ■個人防護具(PPE) 「①長袖ガウン」「②手袋」「③マスク」「④保護メガネ」を着用します。 ■接続時 髄注等の穿刺針やドレーンからの注入などの際に、接続部が外れて漏れないようにルアーロック式のシリンジを活用します。また、チューブ ・ シリンジの装着 ・ 脱着の際には、抗がん薬を環境中に噴霧または漏出させる危険性を低減するために、チューブの接続部を滅菌ガーゼで覆いながら行う場合もあります。 ■物品の廃棄 注入が終了したあとも、使用したシリンジやルートは、ジッパーつきのプラスチックバッグに入れて密封し、専用容器に廃棄するようにします。 (第4回) 参考文献1.ISOPP(International Society of Oncology Pharmacy Practitioners):Standards of practice:Safe handling of cytotoxics,2007. この記事を読んだ方におすすめ●抗がん剤曝露対策:個人防護具の使用法と投与管理時のポイント●抗がん剤曝露対策:病棟内での注意とこぼれたときの対処●そのほかの連載はこちら ※この記事は『エキスパートナース』2015年8月号の特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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