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気管支鏡検査④帰室後に行いたいケア【検査・治療の帰室後注意!:第19回】
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気管支鏡検査④帰室後に行いたいケア【検査・治療の帰室後注意!:第19回】
別部門での検査・治療から帰ったあとに起こる変化は意外と多い!担当ナースとしておさえておきたい、「帰室時の状態」や「異常への対応」をわかりやすく紹介します。 検査後約2時間の鎮静覚醒前のケア 気管支鏡検査を行う際に、ミダゾラム(鎮静薬。ドルミカム®など)を使用します。ミダゾラムは舌根沈下しやすいため、過鎮静時にはSpO2の低下がみられます。 鎮静薬の使用量は患者によって異なりますが、使用量が多ければ過鎮静を起こしやすくなります。また、せん妄症状を引き起こしやすく、せん妄状態にある患者は安静が守られているか頻回に観察し、転倒・転落に注意する必要があります。 過鎮静時は、いびきをして寝ていたり、無呼吸になることがあります。また、せん妄状態のため検査の終了に気づかないこともあります。無呼吸の場合は、側臥位にして気道を確保します。 また、意識レベルの確認のため話しかけたり、刺激を与えたりして、意識レベル低下と過鎮静を区別するように観察します。意識レベル低下時は医師にすばやく報告し、バイタルサインの測定や人手の確保をしてください。 鎮静薬の投与量によって覚醒する時間は異なりますが、ほとんどは検査から2時間後には全覚醒しています。検査後のベッド上安静が2時間である理由は、ベンゾジアゼピン系の薬剤(ここではミダゾラム)は作用発現が早く、持続時間が短い(半減期2時間)ためです。 検査から2時間後は、飲水チェックにて咽頭麻酔の効果がないことを確認します。また、覚醒状態を確認し、絶飲食やベッド上安静が解除となります。 口腔内の細菌などによる発熱や肺炎 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 帰室後、発熱や肺炎が起こることがあります。 この場合の発熱は感染ではなく、口腔内にある細菌が気管支鏡により気管支の奥に入り、そこで炎症を起こすためと考えられます。また、生検によってできた傷が炎症を起こし発熱や肺炎、化膿症を起こす場合があります。 発熱や呼吸困難があれば医師に報告し、状況によって抗菌薬の投与を行いますが、ほとんどが一時的なものです。 検査後の発熱や肺炎を防ぐには、検査前の口腔ケアが必要です。検査3時間前から絶飲食となりますが、この間に含嗽薬を用いた咳嗽(咽頭咳嗽と喉頭咳嗽の両方)と歯磨きで徹底的に口腔内を清潔にしてもらいます。 検査前に口腔内を消毒することで感染を予防し、強い洗浄作用により食物残渣や細菌、およびその産生物などを取り除くことができます。 なお、入れ歯や差し歯等の取り外しが可能な義歯は外して検査を行いますので、咳嗽も義歯を外して行います。 コラム:退院時の指導のポイント 気管支鏡検査は、健康診断の胸部レントゲンにおいて異常陰影を指摘された方が検査入院して受ける場合がほとんどです。一般病棟では2泊3日のクリニカルパスが使用されることが多いです。 検査翌日は、気胸がないかどうかを胸部レントゲンにて確認し、問題がなければ退院となります。軽度の気胸であれば、2~3日は激しい運動を控えるように指導します。胸痛や呼吸困難があれば、受診日を待たずにすぐ受診するように説明します。 検査から数日後に肺炎や肺疾患の悪化が起こることがあるため、呼吸困難感や倦怠感などの症状があれば、体温を測ることを説明します。38℃を超える発熱や呼吸困難などの症状があれば、すぐに受診するように説明します。 入院中に投与された薬を、退院後も継続して服用してもらう場合もあります。 家族がいる場合は、本人だけでなく、その家族にも上述について説明し、異常にすぐに気づいてもらえるようにします。 参考文献1.医療情報科学研究所 編:病気がみえるvol.4呼吸器.メディックメディア,東京,2013:9,84-86,227,239.2.池澤靖元、品川尚文:気管支鏡検査.特集・若手医師のための呼吸器診療スキルアップ─苦手意識を克服しよう.呼吸器ジャーナル 2017;65(2):244-250.3.大田健,永井厚志,飛田渉 編:呼吸器病New Approach 4 内視鏡による呼吸器疾患診療.メジカルビュー,東京,2002:80-85. 【第20回】放射線治療①放射線治療を受けるとき・帰室時の状態(4月25日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2017年12月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。 【第1回】心臓カテーテル検査①検査を受けるとき・帰室後の状態【第16回】気管支鏡検査①気管支鏡検査を受けるとき・帰室時の状態【第17回】気管支鏡検査②呼吸器疾患の確定診断と帰室時の申し送り【第18回】気管支鏡検査③帰室後急変・急性合併症
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脳神経疾患による感覚障害が起こるメカニズム【麻痺の看護#6】
「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は脳神経疾患による合併症の1つ、感覚障害が起こるメカニズムについて紹介します。 感覚障害が起こるメカニズム 感覚は「視床」を通って脳の中心後回へ伝わる 感覚障害もまた、中枢神経の障害によって引き起こされます。運動の指令は脳の中心前回というところから出発していました。つまり運動の場合は、スタート地点が脳で、ゴール地点が各筋肉です。しかし、感覚路は、スタート地点が皮膚などの感覚受容器で、ゴール地点が脳の中心後回(【第1回】図9)になります。 中心後回は、中心溝の後側にあります。中心溝の前側が中心前回であり、後側が中心後回です。感覚受容器から受け取った感覚(痛覚や触覚など)は脊髄に入り、すぐに反対側へ経路を変えます。そのまま脊髄を上行して視床(〈ししょう〉図1-①)と呼ばれる脳の中の組織に入ります。その後、視床から中心後回へ伝達され、「体のどこの部分が痛いのか?」や「触られているのか?」を私たちは感じています。 図1 感覚を伝える上行路(外側脊髄視床路) このブロック以降のコンテンツは非表示になります 専門的に言うと、運動を伝える神経路は「錐体路」という名前に対し、感覚を伝える神経は「外側脊髄視床路」という名前です。この経路が遮断されることによって、「感覚がわからない」「鈍い」といった症状が出ます。 特に視床出血後に注意が必要 特に脳血管疾患である脳出血では、この視床と呼ばれる部位からの出血が多く、感覚に障害をもつ患者さんがいます。視床は「感覚の中枢」とも呼ばれたりします。全身の感覚がこの視床を経由しているためです。 また、視床痛と呼ばれる感覚障害もあります。これは、実際に痛覚は刺激されていないにもかかわらず、「感覚の中枢」が損傷していることで誤情報が伝わり痛みを感じてしまうという病態です。 参考文献1.小川克彦:シンポジウム「感覚器」しびれ・感覚障害.日大医学雑誌 2017;76(3):156-159.2.川見清豪,生野達也,奥埜博之,他:重度感覚障害を呈した脳卒中片麻痺患者に対する認知運動療法.日本理学療法学術大会 2008. 【第7回】脳神経疾患による言語障害(4月23日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2018年3月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。 【第1回】錐体路から麻痺のしくみを理解【第2回】危険な舌の麻痺の見抜き方【第3回】危険な顔面麻痺の見抜き方【第4回】手が握れないときの麻痺の見抜き方【第5回】脳神経疾患による運動障害とは
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がん治療を受けながら下降期を生きる患者さん[前編]研究から明らかになったこと【第39回】
患者さんの体験・心理についての「研究」を原著者に紹介してもらい、臨床で活用したいこころのケアを探ります。今回は、がん治療を受けながら下降期を生きる患者さんの心理についての研究です。 下降期を生きるがん患者さんにとって、「自己の回復」とは? 身体機能の回復が見込めない場合も、患者さんは生きようとする潜在力を示す がんの浸潤や転移によって身体機能が低下している下降期(定義参照)の患者さんが、がん治療を受ける場合、治療に伴う副作用の出現頻度は高く、病状の進行やがん治療に伴う身の置きどころもない症状によって、患者さんの回復は見出されにくい状況に置かれます。 しかし筆者は、「病気とは回復過程」1という看護哲学に基づき、身体機能の回復が見込めない患者さんにも回復はあると考えてきました。そして臨床で、がん治療中に病状が悪化しても最期まで生きようとする患者さんにかかわる機会をもち、患者さんが生きようとする潜在力を現す様(さま)を「自己の回復」*1と捉え、着目しました。 患者さんにとって「自己の回復」とはどういうことなのかを明らかにできれば、がんの進行・再発を体験してもなお、過酷ながん治療に臨む患者さんの生活の質(QOL)の向上につながる“その人らしい在り方”を支援できるのではないかと考えました。 *1【自己の回復】=本研究では、「環境との相互作用のなかで全体としてのその人が、その人自身の生を生きていく潜在力を現す様」と定義しました。 本研究は以下の倫理的配慮をもとに実施されたものです。●倫理審査委員会の承認を得ました。●研究の趣旨、自由意思による研究への参加、途中辞退の保障、個人情報の保護について対象者に口頭および文書で説明し同意を得ました。●筆者が対象者に援助するときは、対象者の状況に応じて看護計画を随時調整し、対象者の苦痛を迅速に緩和することを最優先に行動しました。 研究の方法 疑問(調べたこと)●がん治療を受けながら下降期を生きる患者さんにとって「自己の回復」とはどういうこと? 研究対象●病期分類ステージⅢ~Ⅳ期の消化器がんに対するがん治療を受ける患者さん5名(男性4名、女性1名、平均69.2歳) 研究方法●患者さんがその人らしく在ることをめざして筆者が行った、援助の経過記録を質的統合法(KJ法)*2を用いて分析 *2【質的統合法(KJ法)】データをラベル化し、グループ編成を繰り返し、現象の論理を探る手法。 発見:患者さんは現実の厳しさを認知するからこそ、自分にとって意味ある在り方を見出していく このブロック以降のコンテンツは非表示になります がん治療を受けながら下降期を生きる患者さんの自己の回復の全体像は、図11のように示されました。 図1 がん治療を受けながら下降期を生きる患者さんの自己の回復と心理 (文献2より引用、一部改変) つまり、患者さんは、【①悪化してゆく今ここにある身体の感受】を基盤に、【②環境に揺るがされる現実の厳しさの認知】をするからこそ、【③安らぎを得るための方策の探究】をし、【④つながりをもつ他者との応答】や【⑤意味ある体験の確認】に影響を受けた、【⑥今ここにいる自分の在り方の表明】をしていました。 しかし、症状が悪化しているとき、患者さんは【⑥今ここにいる自分の在り方の表明】をするよりも、【②環境に揺るがされる現実の厳しさの認知】をしていることがわかりました。 図1の研究結果から、身体状態が悪化していくなかで現実の厳しさを認知することは、患者さんが、納得できる自分の在り方へ意識を転換していく内的な力がもたらされている状況と考えられました。つまり、患者さんは厳しい状況にあっても他者との関係のなかで自分にとって意味ある在り方を見出し、意思決定する力を秘めていることが明らかになりました。 他者との関係性の不安が、患者さんの在り方に影響 図1-⑥のように、患者さんのなかには、「人の役に立って余生を生きたい」「家族のそばで過ごしたい」というがん治療に囚われない在り方を見出した方がいる一方で、治療効果の可能性をあきらめず、がん治療を継続することを望む方もいました。 がん治療の継続を強く望む患者さんについては、頼みの綱である「医療者に見捨てられたくない」という他者との関係における不安が、患者さんの在り方に影響していることが考えられました。 引用文献1.Nightingale F 著,湯槇ます,薄井坦子,小玉香津子,他訳:看護覚え書─看護であること 看護でないこと第8版.現代社,東京,2023.2.天野(小粥)薫,谷本真理子,正木治恵:がん治療を受けながら下降期を生きる人々の自己の回復.日本看護科学会誌 2012;32(4):3-11. がん治療を受けながら下降期を生きる患者さん[後編]研究結果からみる実践したいケア【看護研究からわかる患者さんのこころの中:第40回】(4月22日配信予定) この記事は『エキスパートナース』2017年12月号連載を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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