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麻痺のある患者さんの食事介助のポイント【麻痺の看護#14】
「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は麻痺のある患者さんに行う食事介助のポイントを紹介します。 食事を安全に楽しんでもらうために誤嚥を予防する ある調査の結果を見ると(表1)1、入院している患者さんや施設に入所している利用者の方が、家族の訪問より楽しみにしているのは食事であることがわかります。ですから、どんな状況においても、口から食事を摂取できる準備を行っておくことが大切です。 表1 要介護高齢者の日常における関心事(施設で楽しいこと)●特別養護老人ホーム(9施設、n=773)1位:食事(44.8%)2位:行事参加(28.0%)3位:家族訪問(25.%) ●老人保健施設(13施設、n=1,324)1位:食事(48.4%)2位:家族訪問(40.0%)3位:行事参加(35.2%) ●老人病院(9施設、n=362)1位:食事(40.0%)2位:家族訪問(39.4%)3位:テレビ(28.3%) ●療養型病院(1施設、n=50)1位:食事(55.1%)2位:家族訪問(55.1%)3位:テレビ(30.0%) (文献1より引用) 脳血管障害のある患者さんの嚥下障害は、急性期では30~40%と言われています2。また、脳血管障害の既往がある患者さんにも嚥下障害があると考えられるため、食事は慎重にしなければなりません。最も重要なのは、誤嚥を予防することです。そのためには、まず姿勢に注意しなければなりません。 食事介助の準備のポイント 食事を介助するとき、皆さんはどのように行っていますか? 介助が必要な患者さんに対しては、頸部の位置に注意が必要です。顎が上がっていては飲み込みにくく、誤嚥の可能性が高くなります(図1)。これを防ぐためには、看護師も座って、目線を同じ高さにして介助する必要があります。 このブロック以降のコンテンツは非表示になります 図1 むせにくい食事介助 時間帯によっては、人数上難しいかもしれませんが、家族や看護補助者に協力してもらう必要もあると思います。 また、骨盤の後傾や長座位になることによって腹圧が高まり、スムーズな嚥下運動を妨げてしまいます。そのため、可能な限り、車椅子や椅子に乗車して食事をとってもらいます。特に、車椅子に乗車する患者さんは、フットレストから足を降ろすことも誤嚥を予防する体位になります。 このときの体位は、骨盤が後傾する体位ではなく、ヨーイ・ドンのような、やや前のめりの姿勢を心がけます。こうすることで顎が引かれ、誤嚥のリスクが低減します。 食事にかける時間のポイント 食事にかける時間にも注意が必要です。“ゆっくり食べると全量食べることができる”からといって、1時間もかけて食事を摂取していると、かえって誤嚥のリスクが高まります。また、食事の準備といって、車椅子に乗車する時間が早すぎてもよくありません。 長時間の食事摂取は、嚥下に関連する筋肉を疲労させますし、早めの車椅子乗車も同様です。いざ食事が運ばれて摂取しようとしたときに、疲労感から食事に集中できないと、また誤嚥のリスクを高めてしまいます。 ゆっくりとしか食べることができない場合、大事なのは誤嚥をしないことです。目標は嚥下訓練であるということを患者さんに説明し、あえて時間の制限を行うことが重要です。経口からの栄養が十分でない場合は、補完する栄養食品(栄養ゼリーなど)を食事と食事の間で摂取することを検討します。 食事内容と食べ方のポイント 粥を食べていると、最後には水分が多くなってむせてしまうことも経験します。唾液に含まれるでんぷんを分解する酵素が、お粥のでんぷんを分解して水分を分離してしまうからです。お粥を少量ずつ小分けにして食べてもらうことを考える必要もあります。 糖尿病や高コレステロール血症が既往にある場合、食事制限が加わります。食事の管理は治療としてはとても重要です。だからと言ってカロリー計算も行わずに食事制限すると、リハビリテーションの運動によって筋肉内のアミノ酸が燃焼し、筋肉量を減少させてしまうことにつながりかねません。 リハビリテーションには適切な栄養が重要です。そのため、ハリス・ベネディクトの式でのBEE(基礎エネルギー消費量)測定や簡易式BEE測定で得られた基礎エネルギー量に活動係数などを考慮して必要エネルギー量をアセスメントすることが必要です(表2)。 表2 必要エネルギー量のアセスメント 必要エネルギー量=基礎代謝量(BEE)×活動係数(AF)×損害係数(SF) ●BEE:ハリス・ベネディクトの式で測定するか、以下の式で簡易的な値を算出する男性:14.1×現体重(kg)+620女性:10.8×現体重(kg)+620●AF:【寝たきり:1.0~1.1/ベッド上安静:1.2】など、活動量に応じた係数をかける●SF:【手術(軽度):1.1/がん:1.1~1.3】など、程度に応じた係数をかける 看護のポイント●食事介助時は、患者さんに顎を引いてもらい、看護師も座って目線を揃えます。●食事は可能な限り座位で! 車椅子であれば、フットレストから足を下ろします。●1 回の食事に長い時間をかけることも、誤嚥の原因となるので注意が必要です。 誤嚥予防に用いられる薬剤 誤嚥を予防する目的に、イミダプリルやタナトリルなどの低用量のACE阻害剤を使用することもあります。 ACE阻害剤には、副作用に空咳があります。通常ACE阻害剤は降圧剤として使用されますが、低用量の使用によって咳嗽反射を誘発させ、誤嚥を予防する効果を期待しています。 引用文献1.加藤順吉郎:福祉施設および老人病院等における住民利用者の意識実態調査分析結果,愛知医報1998;1434:2-14.2.馬場尊,才藤栄一:脳卒中後の嚥下障害―その治療方法と予後、患者・家族が注意すべきこと―.日本脳卒中協会.http://www.jsa-web.org/jsanews/jn7/jn7a.html(2018.1.20アクセス) 参考文献1.須藤沙弥香,高橋俊章,神先秀人,他:ギャッジアップベッドでの姿勢の変化が咀嚼・嚥下に及ぼす影響,理学療法学 2008;35(2):e545. さらに学ぶなら多職種との食事介助で看護師が押さえておきたいポイント麻痺のあるときの体位変換・ポジショニングそのほかの連載記事はこちら 【第15回】麻痺のある患者さんの清拭・更衣のコツ(6月18日配信予定) ※この記事は『エキスパートナース』2018年3月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
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重篤な便秘の定義と観察ポイント#1
便秘には、ときには重篤化する病態が潜んでいることも。重篤な便秘の見きわめ方を知りましょう。まずは、重篤な便秘の定義を確認。ふつうの便秘との違いを紹介します。 重篤な便秘の定義は? 重篤な便秘とは、便が停滞することによって、腸閉塞・腸管虚血症の続発症を併発した便秘症のことです(図1)。放置すると敗血症・腸穿孔・腹膜炎と進行し、さらに重篤な病態となります。 図1 重篤な便秘の定義 視点を変えると、腸管虚血症のなかで、限局型で亜急性疾患のところに位置づけられます(表1)。 表1 腸管虚血症 (文献1を参考に作成) 重篤な便秘とは●潰瘍や虚血性腸炎などにつながる、キケンな便秘症のことです。●放置すると敗血症、腸穿孔、腹膜炎などから重篤な病態に移行します。 「便秘」と「重篤な便秘」の境目 便秘症の患者さんは、便が出ないということが常態化しており、それに応じて緩下剤を服用しています。それ自体はふつうのことであり、緩下剤の服用があっても排便コントロールがうまくいっていれば問題はありません。 「排便コントロールがうまくいっている」とは、“次の排便時期が予測できる”と言い換えることができます。逆に、排便間隔が不規則になり、次の排便がいつなのか不明なときは、大腸に溜まっている便量が増えていることが多いのです。 「便秘」から「重篤な便秘」へのターニングポイントは、排便間隔が不規則になり、かつ刺激性下剤や浣腸・坐剤を用いても反応便が見られないときと考えられます(図2)。これ以降はさらに、患者さんの状態をよく観察していく必要があります。 図2 便秘症のターニングポイント 参考文献1. 古畑智久,平田公一,秦史壮,他:血管病変に起因する腸疾患の分類.消化器外科 2005;28(1):17-23. さらに学ぶなら抗がん薬で便秘・下痢が起こりやすいのはなぜ?便秘で下剤を使い分けるのはなぜ?そのほかの連載記事はこちら 【第2回】重篤な便秘のはじまり「糞便塞栓」とは?(6月17日配信予定) ※この記事は『エキスパートナース』2016年6月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
特集記事【連載まとめ】血ガスの勉強、何からしたらいいの?
動脈血液ガス分析(血ガス)の“ここだけ”おさえたいポイントを、会話形式でわかりやすくレクチャー。「やり直したいけれど、何から勉強したらいいのかわからない……」という人は注目です! 【第1回】血ガスの基準値とみる順番を覚える! 用語が多く、難しいと思いがちな血ガス。理解するポイントは、「正常からどうはみだしているか」です。まずおさえておきたい、「みる順番」とは? 〈目次〉●私たちが血ガスを“ややこしい”と感じる理由●血ガスの型を覚えれば、 そんなに難しくない! 【第2回】血ガス「pH」の基準値と異常値 そもそも、なぜ医師は血ガスをとりたいのでしょうか。その理由を知れば、血ガスの“みかた”が覚えやすくなります。「アシデミア」と「アルカレミア」についても知っておきましょう。 〈目次〉●なんのために血ガスをとるの?●pHの異常を表す言葉:「アシデミア」と「アルカレミア」・pH(水素イオン濃度)のポイント 【第3回】血ガス「pH」を異常にしている原因は?「PaCO₂」編 pHの変動に影響を与えるのが「CO2」と「HCO3-」。動脈血の中の二酸化炭素の値である「PaCO2」についてみていくと、pHの異常には2つのパターンがあります。 〈目次〉●「pH」を異常にしている原因は?●パターンA.アシデミア(pH<7.35)で、PaCO2が増えている●パターンB.アルカレミア(pH>7.45)で、PaCO₂が減っている・PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)のポイント 【第4回】血ガス「pH」を異常にしている原因は?「HCO₃-」編 「HCO3-」つまり重炭酸イオンの観点から、pHの異常の原因を探ります。それには、「代謝性アシドーシス」「代謝性アルカローシス」の原因を考える必要があります。 〈目次〉●「pH」を異常にしている原因は?●パターンC.アシデミア(pH<7.35)で、HCO3-が減っている●パターンD.アルカレミア(pH>7.45)で、HCO3-が増えている・HCO3-(重炭酸イオン)のポイント 【最終回】血ガスをみるために大切な呼吸回数と治療の方向性 日ごろから大事なのが、呼吸回数の測定。また、血ガスの値をアセスメントしていくだけで、最終的には「どんなところに原因があるか、どういう方向性で対応したらよいのか」までわかります。 〈目次〉●血ガスをみるべき状態を判断するには、「呼吸回数」を測定!●方向性をイメージしてアセスメントしよう そのほかの連載はこちら
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