2024年6月29~30日に、日本地域看護学会第27回学術集会が宮城県にて開催されました。日本地域看護学会は1997年に発足し、地域看護の学術的発展と教育・実践の向上のために活動しています。

 同学術集会のテーマは「地域看護のソーシャルイノベーション ―地域社会の包容力を高める看護の挑戦―」。年齢や障害を問わず社会参加を可能にし、少子高齢化や過疎化の地域課題の克服に挑む社会の変革(ソーシャルイノベーション)を通じて、誰もが希望を持てる社会、世代を超えて互いに尊重しあえる社会、1人ひとりが快適に活躍できる社会の実現をめざす、といった考えのもとつけられました。

地域連携から他領域との合同セミナーまで、未来を見据えた講演が多く行われる

 30日(土)には、同学術集会長(大森純子学術集会長)による会長講演「地域看護のソーシャルイノベーション-地域社会の包容力を高める看護の挑戦-」が開催されました。

 講演では、国家間のボーダーレス化が進んでいる今こそ、地域看護の新機軸や新たな価値などについて未来志向で議論する必要があるといった、地域看護の展望が示されました。その後、議論の手がかりとして、地域看護がめざすコミュニティ像などの情報提供が行われました。

 そのほかの講演では、地域住民が気軽に集まれる居場所を提供することで、地域のつながりの再構築をめざした事例の紹介や、疫学研究やAI情報科学(遠隔診療システムや栄養管理システムなど)といった他領域と地域看護との共同セミナーなど、地域・他領域・多職種との連携に重きをおいた発表も活発に行われました。

○学術集会概要
学会名:日本地域看護学会第27回学術集会
テーマ:地域看護のソーシャルイノベーション ―地域社会の包容力を高める看護の挑戦―
会期:2024年6月29日(土)・30日(日)(オンデマンド配信:8月31日まで)
会場:AER(アエル)
学術集会長:大森純子(東北大学大学院医学系研究科 教授)
副学術集会長:浦山美輪(東北大学病院 副院長・看護部長)

○学会情報
一般社団法人 日本地域看護学会
HP:https://www.jachn.net/index.html