鎮静を伴う処置後は、病棟での急変に注意が必要です。今回は、事故を防ぐために知っておきたい、検査・処置前の鎮静管理のポイントを紹介。特に、気道閉塞リスクが高い症例については、麻酔科医に管理を依頼するなどの対策をとりましょう。
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【第1回】で示した内視鏡ガイドラインやMRIガイドラインは特定の検査・処置に限定したガイドラインであり、病院全体での鎮静をマネジメントするものではありません。
ひと昔前であれば、「消化器内科の患者さんは○○病棟」というように、診療科により病棟が限定されており、“診療科独自のルール”で管理を行うことも可能であったかもしれません。
しかし、病床の効率的運用のため、診療科を特定しない共用病床を設けている病院が多い状況においては、病院全体で安全な鎮静管理に関して検討を進める必要があります。そのポイントを解説します。
検査・処置前のポイント
気道閉塞のリスクが高い場合
●麻酔科に管理を依頼するなどの対応をとる
1)インフォームドコンセント
鎮静は重大な合併症が起こり得る医療行為であるため、危険性を含めて説明を行い、同意書を取得する必要があります。 また、検査や処置で使用する薬剤の多くは、添付文書上「鎮静」は適応外使用となりますので、併せて説明が必要でしょう。
2)患者評価
全身麻酔手術で麻酔科医が術前評価を行うのと同じように、鎮静患者さんにおいても個別のリスクを評価することが必要です。
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