別部門での検査・治療から帰ったあとに起こる変化は意外と多い!担当ナースとしておさえておきたい、「帰室時の状態」や「異常への対応」をわかりやすく紹介します。

検査後約2時間の鎮静覚醒前のケア

検査後約2時間の鎮静覚醒前のケア

 気管支鏡検査を行う際に、ミダゾラム(鎮静薬。ドルミカム®など)を使用します。ミダゾラムは舌根沈下しやすいため、過鎮静時にはSpO2の低下がみられます。

 鎮静薬の使用量は患者によって異なりますが、使用量が多ければ過鎮静を起こしやすくなります。また、せん妄症状を引き起こしやすく、せん妄状態にある患者は安静が守られているか頻回に観察し、転倒・転落に注意する必要があります。

 過鎮静時は、いびきをして寝ていたり、無呼吸になることがあります。また、せん妄状態のため検査の終了に気づかないこともあります。無呼吸の場合は、側臥位にして気道を確保します。

 また、意識レベルの確認のため話しかけたり、刺激を与えたりして、意識レベル低下と過鎮静を区別するように観察します。意識レベル低下時は医師にすばやく報告し、バイタルサインの測定や人手の確保をしてください。

 鎮静薬の投与量によって覚醒する時間は異なりますが、ほとんどは検査から2時間後には全覚醒しています。検査後のベッド上安静が2時間である理由は、ベンゾジアゼピン系の薬剤(ここではミダゾラム)は作用発現が早く、持続時間が短い(半減期2時間)ためです。

 検査から2時間後は、飲水チェックにて咽頭麻酔の効果がないことを確認します。また、覚醒状態を確認し、絶飲食やベッド上安静が解除となります。

口腔内の細菌などによる発熱や肺炎

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