心拍数や呼吸数、血圧、意識をみたり、四肢に触れたり、眼を見たり、痛みや状態を尋ねたり……。急変を疑ったとき、ナースにできるたくさんのアセスメント。そのなかから“本当にいま必要な3項目”を選べるように、この連載を読んで学びましょう。
【第1回】顔色が少し悪く見えるときの3step①最も危険なショックを念頭に原因検索
顔色が悪くなる原因のうち、最も急変につながりやすいのが「ショック」。ショックの分類や判断基準を解説します。
●Step1 まず、最も危険なショックを念頭に原因検索
・顔色が悪くなる原因のうち、「ショック」が最も急変につながりやすい
・ショックの判断には、血圧“以外”も見る
【第2回】顔色が少し悪く見えるときの3step②バイタルサインなどを“いつも”と比較する
顔色が悪いとき、ショックだけではなく意識レベルや呼吸・循環も大事です。必要な観察について押さえましょう。
●Step2 次に、バイタルサインなどを“いつも”と比較する
・必要な観察を、可能な限り同時に進める
・“正常値か否か”でなく、“いつもと違うか”を見よう
【第3回】顔色が少し悪く見えるときの3step➂呼吸数と換気量で低酸素血症をみる
顔色が悪くなる原因として、低酸素血症も生命に直結しやすいため注意が必要です。呼吸回数の測定、リズムの観察は必ず行いましょう。
●Step3 呼吸数と換気量で低酸素血症をみる
・低酸素血症では、「浅く促迫した呼吸」となる
・酸素投与時はCO2ナルコーシスに注意
【第4回】何となくいつもよりボーっとしているときの3step①
まずは、患者さんの様子が「なんとなく」「いつもと比べて」何かおかしいと気づくことが大切。その後、意識レベルの確認に進みます。
●Step1 まず「ボーっと」をスケールで評価する
・「何かおかしい…」に気づくことが第一歩
・意識レベルの評価と、繰り返しの確認を
・意識レベルの報告・共有のコツ
・瞳孔所見の確認
【第5回】何となくいつもよりボーっとしているときの3step②
意識障害があった場合は、生命維持のABCDに異常がないかを確認。どの部分に障害があるかを早期に発見し、対応することが求められます。
●Step2 次に、呼吸・循環・脳の異常をバイタルサインでみる
・A(airway:気道)
・B(breathing:呼吸)
・C(circulation:循環)
・D(dysfunction of central nervous system、中枢神経障害)
【第6回】何となくいつもよりボーっとしているときの3step➂
意識障害をきたす原因として、考えられることは?AIUEO-TIPSを活用するなどして原因を探り、自覚症状・他覚症状を合わせて観察する必要があります。
●Step3 意識障害の原因をAIUEO-TIPSで探る
・意識障害がある=必ず原因がある
・原因は、“頭”にあるとは限らない
【第7回】“頭痛”を訴えるときの3step①OPQRSTに沿った頭痛の問診
クモ膜下出血や化膿性髄膜炎を中心とした緊急性が高い頭痛には注意が必要。症状分析のチェックリストOPQRSTを紹介しています。
●Step1 まず、OPQRSTに沿った頭痛(痛み)の問診
・疼痛評価で知っておきたい「OPQRST」
・O:Onset;発症形式
・P:Palliative & Provocative Factors;軽快・増悪因子
・Q:Quality&Quantity;性質(質)と程度(量)
・R:Region&Radiation;部位と放散
・S:Symptoms/Associated;随伴症状
・T:Time Course;時間的経過
【第8回】“頭痛”を訴えるときの3step②緊急性の高い脳疾患の徴候
脳内出血、化膿性髄膜炎が疑われるときにみられる身体所見を確認していきます。頭蓋内圧病変の重要な徴候としては、瞳孔の左右差が挙げられます。
●Step2 次に、緊急性の高い脳神経疾患の徴候をみる
・頭蓋内圧病変を表す所見を見る
・同時に起こるその他の所見を加味する
【第9回】“頭痛”を訴えるときの3step➂呼吸パターンからみる障害部位
頭痛の訴えがあり、意識障害が見られた際は、呼吸パターンにも注意を。呼吸パターンの変化によって、脳幹のどの部位で障害が起きているのかが推察できます。
●Step3 さらに脳神経疾患が疑われれば、呼吸から障害部位を推測する
【第10回】“腹痛“を訴えるときの3step①OPQRSTに沿った腹痛の問診
腹痛は原因疾患が多いことが特徴。緊急性が高いかどうかを考えていきます。OPQRSTに沿って、腹痛のアセスメントの進め方を確認しましょう。
●Step1 まずOPQRSTに沿った“痛み(腹痛)の問診”を
・O:発症形式
・P:快・増悪因子
・Q:性質(質)と程度(量)
・R:部位と放散
・S:随伴症状
・T:時間的経過
【第11回】“腹痛“を訴えるときの3step②視診、聴診、打診、触診
腹部は、触診や打診によって腸蠕動運動が増強することがあるため注意。視診、聴診、打診、触診の順に行います。
●Step2 次に視診、聴診、打診、触診を行う
1)腹部の視診
2)腹部の聴診
3)腹部の打診・触診
【最終回】“腹痛“を訴えるときの3step➂重症度の高い血管性疾患を疑う
腹痛で特に重症度が高いのが血管性疾患です。急性冠症候群の場合でも、腹痛を訴える場合があります。アセスメントで重要なこととは?
●Step3 特に重症度の高い血管性疾患を疑ってアセスメント