急変を疑ったとき、ナースにできるたくさんのフィジカルアセスメントのなかから“本当にいま必要な3項目”を選べるようになりましょう。今回は“頭痛”を訴えているときの対処の第1段階。症状分析のチェックリストであるOPQRSTを用いて頭痛を評価します。
【“頭痛”を訴えるときの3ステップ】
Step2 緊急性の高い脳神経疾患の徴候をみる
Step3 呼吸パターンからみる障害部位
Step1 まず、OPQRSTに沿った頭痛(痛み)の問診
疼痛評価で知っておきたい「OPQRST」
急変が疑われる場面に出会ったとき、看護師の役割は診断することではありません。緊急な状態かどうか判断することです。
そのために必要な「看護師の武器」が、呼吸回数や血圧、脈拍などに代表されたバイタルサインであり、問診や聴診、触診などのフィジカルアセスメントになります。
しかし、病気の名前やそれに伴う症状がわからなければ、緊急性は判断できません。緊急性の高い疾患は、どの分野で働いていたとしても覚えていて損はないと思います。
頭痛の原因は、筋緊張性頭痛などの緊急を要しないものが多いですが、クモ膜下出血や化膿性髄膜炎を中心とした緊急性が高い頭痛があるので注意します。症状分析のためには症状の特徴をさまざまな側面から検討することが必須です。症状分析のチェックリストであるOPQRSTを用いると漏れがなく、便利です。
以下、このチェックリストに沿った、頭痛の評価の手順と、そこから緊急性が高い頭痛を疑った場合のアセスメントの深めかたを紹介します1。
O:Onset;発症形式
- 痛みはいつからですか?
- そのとき何をしていましたか?
- 急に痛くなりましたか?
- 痛くなる前に何か前兆はありましたか?
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