急変を疑ったとき、ナースにできるたくさんのフィジカルアセスメントのなかから“本当にいま必要な3項目”を選べるようになりましょう。今回は“頭痛”を訴えているときの対処の第2段階。緊急性の高い脳神経疾患の徴候を紹介します。
【“頭痛”を訴えるときの3ステップ】
Step1 OPQRSTに沿った頭痛の問診
Step3 呼吸パターンからみる障害部
前回述べましたが、頭痛を訴えている患者で、緊急性が高いのはクモ膜下出血を代表とした脳内出血と化膿性髄膜炎です。ここでは、これらの疾患が疑われるときにみられる身体所見を紹介します。
Step2 次に、緊急性の高い脳神経疾患の徴候をみる
頭蓋内圧病変を表す所見を見る
瞳孔の左右差は、頭蓋内圧病変の重要な徴候です。緑内障では脳血管障害の場合と異なり、しばしば患側眼の充血を伴い、中途半端でいびつな散瞳や瞳孔の固定を認め、区別ができます。
髄膜刺激症状の検査としては、項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候などがあります。
小脳出血はしばしば歩行障害、悪心、嘔吐、めまいを引き起こすため、歩けるかどうかを確認することも重要です。
くも膜下出血のような脳内出血は、意識障害が伴うことが多いですが、化膿性髄膜炎であっても、炎症が脳実質に及ぶと意識障害が出現します。意識状態は変化しますので、定期的に意識の確認をすることも大切になります。
同時に起こるその他の所見を加味する
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