患者さんの訴えから重大な疾患を見きわめて、すぐに対応するには? キラーディジーズが隠れていることの多い、頭痛、胸痛、腹痛、呼吸困難の4つの症状にスポットを当てて解説しています。

【第1回】病棟での緊急度判断アルゴリズムと対応フロー:救急症候を見逃さないために

〈目次〉
●「緊急度」と「重症度」の定義
●緊急度の高い症候や疾患
●緊急度判断と、ステップごとに行うこと
STEP1:初期評価を行う
STEP2:生理学的状態の安定化を図る
STEP3:重点的アセスメント(原因検索)
STEP4:医師に伝え、 緊急治療につなげる
●絶対に見逃してはいけない4つの救急症候:頭痛、胸痛、腹痛、呼吸困難

【第2回】頭痛のアセスメント、髄膜刺激症状のスクリーニング方法の要点

〈目次〉
●頭痛を起こすキラーディジーズ
●頭痛の訴えがあれば、まずはバイタルサインとABCDの評価
●頭蓋内病変、頭蓋外病変に注意
・頭痛の訴えがあったときのアセスメントの流れ
●頭蓋内圧亢進が引き起こされることも

【第3回】くも膜下出血の症状と特徴的な所見とは?

〈目次〉
●くも膜下出血の症状
●くも膜下出血のメカニズムと、特徴的な所見
・大半は突発性、死因は急性頭蓋内圧亢進が多い
・「突然発症」「人生最大の頭痛」ならくも膜下出血を疑う
・くも膜下出血の嘔吐は噴水状
・先行する警告頭痛がなかったかを確認
・髄液検査や胸部X線、心電図もみる
●くも膜下出血での初期対応では血圧管理を重視

【第4回】脳出血と髄膜炎の症状・特徴的所見:鑑別に役立つポイント

〈目次〉
●脳出血の症状
●脳出血のメカニズムと、特徴的な所見
・「突然発症」「持続する頭痛」なら脳出血を疑う
●脳出血での初期対応
●髄膜炎の症状
●髄膜炎のメカニズムと、特徴的な所見
・髄膜刺激症状の感度特異度を踏まえたアセスメントを
●髄膜炎での初期対応

【第5回】脳梗塞を疑う症状と鑑別の判断基準

〈目次〉
●脳梗塞の症状
●脳梗塞のメカニズムと、特徴的な所見
・脳梗塞=頭痛ではないことに注意
・神経学的所見が判断の基準になる
●脳梗塞での初期対応
●危険な頭蓋外病変
・側頭動脈炎
・急性緑内障

【第6回】胸痛のアセスメント:12誘導心電図やOPQRSTT法の活用

〈目次〉
●胸痛を起こすキラーディジーズ
●4つのキラーディジーズを念頭にアセスメントを行う
・胸痛の急変対応プロトコール
●胸痛の訴えがあれば、まず12誘導心電図をとり、ST上昇型心筋梗塞かどうか判断する
●OPQRSTT法などのツールも活用
●心室細動に備えて除細動器も準備を

【第7回】急性心筋梗塞の症状と診断、初期対応のポイント

〈目次〉
●急性心筋梗塞の症状
●急性心筋梗塞のメカニズムと特徴的な所見
・胸痛は広い範囲に及ぶのが特徴
・各種の検査により確定診断を行う
●急性心筋梗塞での初期対応

【第8回】急性大動脈解離の特徴的所見とアセスメントのポイント

〈目次〉
●急性大動脈解離の症状
●急性大動脈解離のメカニズムと特徴的な所見
・突然の胸背部の激痛、痛みの移動が特徴
・急性大動脈解離に合併する危険な状態をアセスメント
・随伴症状が解離の範囲のヒントに
・確定診断はおもに画像検査で行う
●急性大動脈解離での初期対応

【第9回】急性肺血栓塞栓症と緊張性気胸の特徴的所見と鑑別ポイント

〈目次〉
●急性肺血栓塞栓症の症状
●急性肺血栓塞栓症のメカニズムと、特徴的な所見
・胸痛・呼吸困難のほか、下肢に現れる所見も確認を
・確定診断は各種検査で特徴的な所見を確認
・「他の理由が説明できない」ことも鑑別に役立つ情報
●急性肺血栓塞栓症での初期対応
●緊張性気胸の症状
●緊張性気胸のメカニズムと、特徴的な所見
・胸痛を起こす疾患のなかで最も緊急度が高い
●緊急性気胸での初期対応

【第10回】腹痛のアセスメント:救急症候を見逃さないためのポイントは?

〈目次〉
●腹痛を起こすキラーディジーズ
●まずはABCDを評価し、緊急性の高い疾患を想定
●急性腹症を疑い、腹部をアセスメント
1 問診と、身体所見のアセスメントを行う
2 痛みの性状・部位から緊急性を判断する
●心窩部~右季肋部・腹部全体”の持続的な強み痛みに注意

【第11回】大動脈瘤破裂と消化管穿孔の症状と初期対応

〈目次〉
●大動脈瘤破裂の症状
●大動脈瘤破裂のメカニズムと、特徴的な所見
・コールドショックの症状
●大動脈瘤破裂での初期対応
●消化管穿孔の症状
●消化管穿孔のメカニズム
・持続する痛み、腹膜刺激症状が特徴
・ショックの症状
●消化管穿孔での初期対応

【第12回】急性胆管炎と急性腸間膜虚血の特徴的所見:見逃せない救急症候

〈目次〉
●急性胆管炎の症状
●急性胆管炎のメカニズムと、特徴的な所見
・「右上腹部痛」「発熱」「黄疸」が現れる
・ショックと意識障害が重症化のサイン
●急性胆管炎での初期対応
●急性腸間膜虚血の症状
●急性腸間膜虚血のメカニズムと、特徴的な所見
・高齢者に起こる腹膜刺激症状のない激しい腹痛に注意
●急性腸間膜虚血での初期対応

【第13回】呼吸困難時のアセスメント:救急症候を見逃さないために

〈目次〉
●呼吸困難を起こすキラーディジーズ
●呼吸困難に加え、喘鳴やショックなどの症状・症候を組み合わせて考える
●呼吸困難の訴えがあったときのアセスメントの流れ
1 緊急度が非常に高い、上気道の閉塞・狭窄を除外する
2 フィジカルアセスメントを行い、肺や心臓に原因がないか探る
●フィジカルアセスメントの際の観察ポイント

【第14回】気道異物の症状と特徴的所見・初期対応

〈目次〉
●気道異物の症状
●気道異物のメカニズムと、特徴的な所見
・窒息の所見であるチョークサイン等に注意
●気道異物での初期対応

【第15回】アナフィラキシーショックの症状と初期対応

〈目次〉
●アナフィラキシーショックの症状
●アナフィラキシーショックのメカニズムと、特徴的な所見
・9割の症例で皮膚所見がみられる
・食物・薬物・虫刺・ラテックスへの曝露がなかったかを確認
●アナフィラキシーショックでの初期対応

【第16回】呼吸困難で疑うべき咽頭蓋炎と気胸の症状

●咽頭蓋炎の症状
●咽頭蓋炎のメカニズムと、特徴的な所見
・「咽頭痛」「唾液も飲めない嚥下痛」が特徴
・吸気時喘鳴(stridor)があれば危険度が高い
●咽頭蓋炎での初期対応
●緊張性気胸/気胸
●緊張性気胸/気胸のメカニズムと、特徴的な所見
・呼吸困難を伴う胸痛とショック症状が現れる
・気胸につながりやすい状況にないかも確認
●緊張性気胸/気胸での初期対応

【第17回】肺塞栓と喘息発作の特徴的所見:見逃せない救急症候

〈目次〉
●肺塞栓の症状
●肺塞栓のメカニズムと、特徴的な所見
・長期臥床後など、リスクの有無を確認する
・頻呼吸などの症状と、DVTを示す下肢の症状をみる
●肺塞栓での初期対応
●喘息発作の症状
●喘息発作のメカニズムと、特徴的な所見
・全年齢層でみられる「気道狭窄」を起こす疾患
・喘鳴と連続性ラ音が聴かれるのが特徴
・既往歴の確認を行う
●喘息発作での初期対応

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