患者さんの訴えから重大な疾患を見きわめて、すぐに対応するには?今回は頭痛を起こすキラーディジーズ「くも膜下出血」の症状やメカニズムを紹介します。
くも膜下出血の症状
●頭痛(突然の、今まで経験したことのない、ハンマーで殴られたような激しい頭痛/警告頭痛)
●頸部への放散痛
●悪寒
●悪心・嘔吐
●めまい
●意識障害
●けいれん
●うっ血乳頭
●髄膜刺激症状(項部硬直/ケルニッヒ徴候 など)
●重症例では、以下がみられることが多い。
・心電図変化:ST変化(ST低下が多い)、心室性不整脈、QT時間の延長
・心機能障害(急性心筋壊死)
・肺水腫
くも膜下出血のメカニズムと、特徴的な所見
大半は突発性、死因は急性頭蓋内圧亢進が多い
くも膜下出血は、脳脊髄液が存在するくも膜下腔に出血が起きた状態です。脳動脈瘤の破裂が原因である突発性と、外傷を受けた際に起こる外傷性がありますが、特発性くも膜下出血が大部分を占めます。発症年齢は、50~60歳代が最も多いです。
頭痛のみの場合から心肺停止に至るまで重症度はさまざまですが、約20%が初回破裂で死亡します。死因で最も多いのは、急性頭蓋内圧亢進(約90%)です。
「突然発症」「人生最大の頭痛」ならくも膜下出血を疑う
くも膜下出血の明らかな身体所見は少ないですが、「突然発症」「人生最大の頭痛」があればくも膜下出血を疑います。突然発症する激しい頭痛は、くも膜下出血患者の約80%に現れ、「突然の激しい」「ハンマーで殴られたような」「今までに経験したことがないような」頭痛と表現されることが多くあります(雷鳴頭痛*1ともいいます)。
頭痛は出血部位により異なりますが、後頭部から側頭部に生じやすく、頸部に放散痛を伴うこともあります。その一方、ときに出血が軽度のために頭痛の程度が軽く、背部痛や肩・項部のこりのみといった場合もみられるため、これらの特徴を満たさない場合も注意が必要です。
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