患者さんの訴えから重大な疾患を見きわめて、すぐに対応するには?今回は腹痛を起こすキラーディジーズ「大動脈瘤破裂」「消化管穿孔」の症状やメカニズム、初期対応について紹介します。
大動脈瘤破裂の症状
●突然発症の腰背部痛
●ショック
・四肢冷感 ・冷や汗
・顔面蒼白 ・頻脈
・頻呼吸
(循環血液量減少性ショックの症状)
●拍動腫瘤
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大動脈瘤破裂のメカニズムと、特徴的な所見
コールドショックの症状
大動脈壁が脆弱化のため異常に伸展し、限局的に拡張した瘤が破裂した状態です。腹部~腰背部の激痛を伴い、出血が多い場合は分単位でショックに陥ります。「突然発症の腰背部痛」「ショック」「拍動性腫瘤」のうち2つが認められれば大動脈瘤破裂を疑いましょう。
大動脈瘤破裂での初期対応
ABCDに異常がみられた場合は、酸素投与、静脈路確保の考慮、ECGモニターと12誘導心電図検査を実施します(【第1回】参照)。
急性腹症を疑った場合は、ドクターコールして検査の準備をします(表1)。そして、循環動態が安定しているようにみえても、リンゲル液などの晶質液を用い初期輸液を始めます。ショックの場合は、循環の安定を図るため急速輸液を行います。輸液による体温低下に注意し、可能な限り加温輸液を用います。
鎮痛薬の使用は、診断前からの早期投与が推奨されています。アセトアミノフェンの非経口投与が第一選択となりますが、使用による循環動態への影響、合併症に十分注意し、痛みの評価とともに15~30分ごとに観察を行います。
表1 急性腹症での検査
●心電図
●血液・尿検査
・血算 ・電解質 ・肝機能 ・腎機能 ・リパーゼ ・アミラーゼ ・血糖 ・CRP ・心筋逸脱酵素 ・血液培養 ・尿定性 など
●血液ガス
●腹部超音波検査
●腹部CT検査
消化管穿孔の症状
●感染症を疑う症状(発熱など)
●腹膜刺激症状
●ショック
・頻脈
・血圧低下
・四肢は温かい
(敗血症性ショックの症状)
消化管穿孔のメカニズム
持続する痛み、腹膜刺激症状が特徴
何らかの原因で消化管が穿孔を起こし、腸管内容が腹腔に漏れ、腹膜炎を引き起こす病態で、上部消化管穿孔は若年~壮年者に、下部消化管穿孔は高齢者に多くみられます。下部消化管穿孔は比較的早期に腹膜炎に陥り、その場合重症化します。
発症は突然で、痛みが持続するのが特徴です。腹膜刺激症状が認められる腹膜炎は消化管穿孔(下部)や胆嚢穿孔の可能性があり、時間とともに予後が悪くなるため、緊急性が高い状態と判断します。
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