患者さんの訴えから重大な疾患を見きわめて、すぐに対応するには?今回は腹痛を起こすキラーディジーズ「急性胆管炎」「急性腸間膜虚血」の症状やメカニズム、初期対応について紹介します。

急性胆管炎の症状

●心窩部~右季肋部の疼痛(30分~1時間かけて増悪)
●発熱
●黄疸
●嘔気・嘔吐
●マーフィー徴候陽性
●ショック
●意識障害

急性胆管炎のメカニズムと、特徴的な所見

「右上腹部痛」「発熱」「黄疸」が現れる

 急性胆管炎は、胆石が胆嚢頸部~胆嚢管に陥頓し閉塞することで胆汁が胆嚢内でうっ滞し胆嚢炎を引き起こし、その波及によって起こります。腹痛は、心窩部~右季肋部の持続痛で、嘔気を伴い(ときに嘔吐)、30分から1時間かけて増悪していくのが特徴です。

 急性胆管炎に特徴的な症状としては、上記の「右上腹部痛」に加え、「発熱(9割に認められる)」「黄疸」があり、この3つを合わせてシャルコーの三徴といいます。また、マーフィー徴候図1)が陽性になることも特徴的な所見です。

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