急変を疑ったとき、ナースにできるたくさんのフィジカルアセスメントのなかから“本当にいま必要な3項目”を選べるようになりましょう。今回は“頭痛”を訴えているときの対処の第3段階。障害部位と呼吸パターンの関係について解説します。

【“頭痛”を訴えるときの3ステップ】
Step1 OPQRSTに沿った頭痛の問診
Step2 緊急性の高い脳神経疾患の徴候をみる

Step3 さらに脳神経疾患が疑われれば、呼吸から障害部位を推測する

 換気の指令を出している中枢は呼吸中枢と呼ばれ、延髄と橋に存在します。換気の基本リズムは、延髄呼吸中枢がコントロールしていますが、延髄呼吸中枢から出てくる神経活動電位を調整するための呼吸調整中枢は橋にあります。

 そのため延髄が障害された場合と橋が障害された場合では、呼吸パターンに異なる変化が現れてきます(図1)。言い換えれば、呼吸パターンの変化によって、脳幹のどの部位で障害が起きているのか推察することができます。

 頭痛の訴えがあり、意識障害が見られた場合、呼吸パターンの変化にも注意するとよいでしょう。

図1 障害部位と呼吸パターンの関係

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