人工呼吸器の一種で、挿管せずマスクで呼吸管理ができるNPPV(非侵襲的陽圧換気)。今回はNPPVでの代表的なアラームの種類と機器のチェックポイントを解説します。

「NPPV(非侵襲的陽圧換気)のポイント」の連載まとめはこちら

NPPVでの代表的なアラームの種類

 NPPVで注意したアラームと、その対応を下記に示します。

呼吸回数上限(Hi Rate)

●原因:呼吸状態悪化・発熱などによる呼吸数の増加
→対処:呼吸状態悪化の原因検索と対応

●原因:リークを患者の吸気と判断し、患者が吸気をしていないにもかかわらず機器がIPAPを開始する
→対処:呼吸器回路内のリーク確認/マスクフィッティング

●原因:アラーム設定が低すぎる
→対処:アラーム設定の変更

呼吸回数下限(Lo Rate)

●原因:患者の自発呼吸減弱・停止
→対処:換気モードの変更

●原因:呼吸器回路接続の外れ・ゆるみ・破損
→対処:呼吸器回路の確認・交換

●原因:アラーム設定が高すぎる
→対処:アラーム設定の変更

一回換気量下限(Lo VT

●原因:肺コンプライアンスの低下
→対処:呼吸状態の観察

●原因:リークの増加
→対処:呼吸器回路内のリーク確認/マスクフィッティング

●原因:呼吸器回路接続の外れ・ゆるみ・破損
→対処:呼吸器回路の確認・交換

●原因:吸気圧設定が低すぎる
→対処:換気モードの変換

●原因:アラーム設定が高すぎる
→対処:アラーム設定の変更

一回換気量上限(Hi VT

●原因:モードや設定が患者の状態と合っていない
→対処:換気モードの変更

●原因:アラーム設定が低すぎる
→対処:アラーム設定の変更

吸気圧上限(HIP)

●原因:気道分泌物・体位による気道の閉塞
→対処:気管吸引、体位の調整

●原因:呼吸器回路の屈曲・閉塞
→対処:呼吸器回路の確認

●原因:アラーム設定が低すぎる
→対処:アラーム設定の変更

吸気圧下限(LIP)

●原因:マスク外れやリークの増加
→対処:マスクフィッティング

●原因:肺コンプライアンスの上昇
→対処:呼吸状態の観察

●原因:呼吸器回路接続の外れ・ゆるみ・破損
→対処:呼吸器回路の確認・交換

●原因:アラーム設定が高すぎる
→対処:アラーム設定の変更

分時換気量下限(Lo VE)または 低分時換気量遅延時間(LIP T)

●原因:肺コンプライアンスの低下
→対処:呼吸状態の観察

●原因:リークの増加
→対処:呼吸器回路内のリーク確認/マスクフィッティング

●原因:呼吸器回路接続の外れ・ゆるみ・破損
→対処:呼吸器回路の確認・交換

●原因:吸気圧設定が低すぎる
→対処:換気モードの変更

●原因:アラーム設定が高すぎる
→対処:アラーム設定の変更

Low Battery Alarm

●原因:バッテリー残量15分(★内蔵バッテリー稼働時に鳴る高レベルアラーム)
→対処:AC電源に接続(リセットや消音ができない)

NPPVの機器側のチェックポイント

 NPPV施工中は、「本体」と「回路」を必ずチェックします。

青色の①~④は「本体周辺を確認」の番号、緑色の①~④は「回路周囲を確認」の番号に対応

本体周辺を確認

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