知っているようで意外と知らないバイタルサイン数値の“測定手技”や“判断の根拠”。今回は脈拍測定から血圧の状態を推測する方法を紹介します。

脈拍測定から血圧を推測

脈は心機能や血流の異常を示すサイン。でも測定できないとき

 看護師は、巡視時などに“患者さんの様子がなんとなくおかしい”と感じることがあります。そのとき、患者さんの脈に触れることによって、心臓の機能や血流に何らかの異常が起きていることを察知することができます。

 もし脈が触れなければ、「血圧が著しく低下している」「心拍が停止している」、あるいは「血流障害が起きている」ことが考えられます。

 しかし、患者さんの急変を発見したとき、患者さんの体動や状況によりすぐに血圧が測定できなかったことや、血圧を測定してもエラーが示されるばかりで測定結果が得られなかったという経験はないでしょうか?─ そのようなとき、どう対処しますか?

血圧計だけではない“脈の見かた”

脈の触れる“強さ”からの推測

 血圧計を使わなくても、脈に触れることにより、ある程度、血圧レベルを知ることができます。

 脈の拍動の強さは、収縮期血圧と関連します。“拍動が弱い”場合は血圧が低い、“指で圧迫しても拍動が消えないほど強い”場合は血圧がかなり高いと考えられます(図1)。

図1 脈の拍動の強さ(収縮期血圧)

図1 脈の拍動の強さ(収縮期血圧)

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