チアノーゼとは、酸素が不足して皮膚や粘膜が青紫色に変化することです。チアノーゼが起こる理由とは?還元ヘモグロビンや、チアノーゼとヘモグロビン濃度の関係などを紹介しながら、わかりやすく解説します。

●チアノーゼを起こす還元ヘモグロビン値の量
●チアノーゼとヘモグロビン濃度の関係
●チアノーゼの分類

「看護ケアのギモン」シリーズの記事一覧

Q. チアノーゼはどうして起こるの?

ひとこと回答
チアノーゼは、末梢組織での酸素需要亢進や末梢循環不全を示しています。毛細血管での還元ヘモグロビンが 4~5g/dLまで増加することによって起こります。

チアノーゼを起こす還元ヘモグロビン値の量

 チアノーゼを起こす還元ヘモグロビン(酸素を失ったヘモグロビン)の量を回答で「4~5g/dL」と示しましたが1,2、もっと細かく記載されている文献3によると、チアノーゼを起こす動脈での還元ヘモグロビンの最小量は2.38g/dLで、このときの毛細血管や細静脈では4.24g/dLです。

 また、中心性チアノーゼでは、動脈血での還元ヘモグロビンの量は3.48±0.55g /dLが平均的で、このときの毛細血管もしくは細静脈では5.3g/dLです。

 よく見る「チアノーゼは還元ヘモグロビンが5g/dL以上になると起こる」と書かれた文章には、「毛細血管もしくは細静脈において」という前置きが隠されていることに注意しなくてはいけません(表1)。

表1 ヘモグロビン総量15g/dL の場合

ヘモグロビン総量15g/dL の場合の表

チアノーゼとヘモグロビン濃度の関係

 チアノーゼは、酸化ヘモグロビンや酸素飽和度によって出現するのではなく、還元ヘモグロビン量の増加によって出現します。よって貧血患者では、へモグロビンの酸素飽和度が非常に低くても、チアノーゼは出現しにくくなります(表2)3。

表2 チアノーゼとヘモグロビン濃度の関係

チアノーゼとヘモグロビン濃度の関係の表
(文献3・p.62より引用、一部改変)

 逆に、多血症(赤血球増加症)のように、ヘモグロビン総量が高ければ高いほど、酸素飽和度が高めを維持しているにもかかわらず、チアノーゼを起こす傾向は強くなります。

 またチアノーゼは、メトヘモグロビン(ヘム鉄が三価に酸化されたもの、酸素結合不可)やスルフヘモグロビン(ヘモグロビンと硫化水素を反応させると生じる、酸素結合不可)などが血中に存在するときにも観察されます。
 メトヘモグロビン血症の患者においては、特有の茶色っぽいチョコレート様の色調となります。

チアノーゼの分類

 チアノーゼは、「中心性チアノーゼ(分離性チアノーゼを含む)」と「末梢性チアノーゼ」に大別されます。
 
 そのうち、中心性チアノーゼでは、動脈血酸素飽和度の低下、多血症が原因となります。一方、末梢性チアノーゼは、血液中の酸素は正常ですが、血流遅延のために末梢部の組織で酸素飽和度が低下し、静脈血の還元ヘモグロビンが増加することにより起こります。

チアノーゼを引き起こす原因(病態)

この記事は会員限定記事です。