別部門での検査・治療から帰ったあとに起こる変化は意外と多い!担当ナースとしておさえておきたい、「帰室時の状態」や「異常への対応」をわかりやすく紹介します。

【第1回】心臓カテーテル検査①検査を受けるとき・帰室後の状態
【第10回】脳アンギオ①脳アンギオを受けるとき・帰室時の状態

脳アンギオ:帰室後急変・急性合併症

穿刺部の出血

穿刺部の出血

原因・症状

 枕子による圧迫固定中の安静中に穿刺側の下肢を屈曲したりすると、枕子がずれて圧迫が緩み、穿刺部の出血につながります。また、圧迫・安静解除後にも出血を認める場合もあります。

 脳アンギオでは動脈を穿刺するため、検査中のヘパリン使用や抗凝固薬・抗血小板薬を使用している場合は、特に注意して観察が必要です。
 出血が続くと、患者は出血性ショック状態となり重篤な状態に陥り、濃厚な治療が必要となります。

見抜き方

 患者が安静を守れていない場合は、頻回に穿刺部の観察を行う必要があります。
 患者の反応が乏しくなるなど意識レベルの変化、顔面蒼白やチアノーゼの有無などの循環状態の観察、血圧低下や頻脈などのショックバイタルに注意し、観察しましょう。

治療対応

 出血を認めた場合は、スタンダードプリコーションの下、穿刺部にガーゼを当て、再度、用手的に圧迫を行います。
 応援を呼ぶとともに医師に報告し、診察と再固定を行います。再固定のため、枕子と患者の体格に合わせて固定用のテープを数本用意します(図1)。

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