褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回は尾骨部の評価スケールd2、d3褥瘡における、ハイドロコロイドドレッシングを活用したケアについて紹介します。

この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
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尾骨部のd2、D3褥瘡へのケア方法は?

〈症例〉
D3-e3s3i0g3N3p0:12(点)

●80歳代、女性、誤嚥性肺炎。
●自力体位変換は困難。
●おむつ内排泄、経管栄養1日3回(頭側挙上45度)。

尾骨部のd2、D3褥瘡の症例写真

改定 DESIGN-R® 2020を用いた褥瘡の評価についてはこちら

 高齢者の臀部の皮膚は、体位変換によってたるみが生じます。臀部周囲の褥瘡では、皮下組織のたるみに合わせて褥瘡の形状も変化します。頭側挙上でも皮下組織が移動し、背部から臀部側に下がり、臀部は座面から押し上げられます。

 その変形によって褥瘡の創面どうしが密着し、摩擦やずれが起こります。その結果、肉芽組織の増殖や上皮化を阻害し、治癒の遷延を招きます。 そのため、できるだけ皮膚のたるみを防ぎ、褥瘡周辺の組織を変形させないようにします。

褥瘡の変形が少なくなるよう、周辺組織や創面を固定する

評価とケアのしかた

 複数の褥瘡があり、深さもD3とd2が混在しています。一番深い創はD3と判断し、D3の治療方法を優先して考えます。

 それぞれの褥瘡が近くに存在しているので、まとめて管理することが可能です。外用薬ではなく、ハイドロコロイドドレッシングを使用することで、褥瘡周辺の組織や創面を固定することができます。

 そして、創面も安定することで変形が少なくなり、治癒を進めることができます。

ドレッシング材の貼り方

 ハイドロコロイドドレッシングは、褥瘡よりも大きめの長方形にカットして貼付します(図1-①)。貼付するときには、臀部を軽く伸展させます(図1-②)。

図1 褥瘡よりも大きめの長方形にカットして貼付

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