検査・治療の帰室後の急変に注意!今回は、消化器内視鏡検査・治療後の帰室後に現れる、出血や穿孔についてです。原因や症状、治療対応を詳しく解説します。
この記事は『エキスパートナース』2017年12月号特集を再構成したものです。
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消化器内視鏡検査・治療:帰室後急変・急性合併症
出血

原因・症状
消化器内視鏡検査・治療後に起こる出血は、治療した部分の止血(図1)が不十分であったか、再出血が主な原因です。通常の検査でも生検後に出血したり、嘔吐反射により食道と胃の接合部に裂傷をきたして出血(マロリーワイス症候群)したりすることがあります。
出血傾向や、抗凝固薬・抗血小板薬の内服が出血を助長させる原因にもなるため、検査・治療前の抗凝固薬の内服状況や休薬状況など、事前の確認が重要となります。
図1 検査室での代表的な止血(クリップ止血法)

見抜き方
検査・治療が終了した時点では止血されていても、帰室後、時間の経過により露出した切開創や不十分な止血により再度出血(遅発性出血)を起こし、それが自覚されないまま経過することがあります。吐血や下血・血便などの症状として出現するまで出血し続け、突然の出血性ショックにより急変の可能性もあり注意が必要です。
目に見えない出血に対しては、血圧・脈拍・呼吸・体温・意識レベルといったバイタルサインの変化や徴候から予測することが重要になります。
治療対応
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