褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な写真とともに解説。今回は、ICU入室中の患者さん褥瘡・創傷ケア・予防を行うときのポジショニングについて解説します。

ICU患者への褥瘡・創傷ケア方法は?

POINT

①患者さんにとって適切な体位をアセスメントする
②体位変換は2人以上で行い、ルートやドレーン類の抜去や屈曲がないか確認しながら行う
③スキンケアを行い、保湿に努める
④バイタルサインの変化や不整脈の出現、苦痛を生じたときは、体位を戻して、再度アセスメントする

 クリティカルな状況にある患者さんに、褥瘡・創傷ケア・予防を行うとき、どのようなポジショニングを行えばよいのでしょうか。

 ICU入室中の患者さんは、人工呼吸器や補助循環装置などの医療関連機器、そしてさまざまなモニター類が装着されています。褥瘡以外にも、肺炎、無気肺、骨格筋の萎縮、精神的ストレスなどの合併症を生じやすく、予防的ケアが必要です。
 
 合併症予防のための体位変換やポジショニングは重要ですが、よかれと思って行ったケアがかえって身体に負荷をかけてしまうこともあり、適切な方法を選択する必要があります。

ICUでの体位変換の様子

ICUでの体位変換の様子

適切な体位をアセスメントする

 まず、患者さんにとって最も適切な体位はどのようなものかアセスメントしましょう。

 例えば、呼吸器系では、横隔膜の位置や胸郭の動きが体位による重力の影響を受けます。頭部挙上は機能的残気量を増加させ酸素化の向上に有用であるとされています。30~45度の頭側挙上は、誤嚥や人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防に有効です。

 また、呼吸器合併症予防のためには、完全側臥位や前傾側臥位が有効とされています。

 しかし、褥瘡予防では頭側挙上30度以下が推奨されています。褥瘡予防を優先するか、治療やリハビリを優先かに迷うことも多いでしょう。

褥瘡予防・ケアの優先度を考慮する

 私は、褥瘡予防・ケアは、治療と同じように優先度を考えて行う必要があると考えています。

 皮膚の状態や栄養状態をアセスメントし、高齢者や、浮腫・乾燥が強いなど褥瘡リスクが高い患者さんには、多職種でカンファレンスを行って、その優先度を考えながらケアを行います。

 当院では、体位変換が困難な患者さんには、体圧分散マットレスの使用、ポジショニンググローブ図1)による圧分散など、状況に合わせて対応しています。 また、保湿剤による保湿のためのスキンケアも重点的に行っています(図2)。

図1 ポジショニンググローブの装着と仕様の実際

ポジショニンググローブの装着と仕様の実際

図2 当院で使用している保湿剤の例(全身用)

セキューラ®MLの製品写真
セキューラ®ML(スミス・アンド・ネフュー株式会社)

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