終末期の患者さんへの褥瘡治療は、どのように考えればよいのでしょうか。ケアの方針の立て方、褥瘡治療を行った事例などを紹介します。
①患者さんの病期や病状に合わせ、包括的な視点でケアを考える
②スケールを用いて予後予測を行い、褥瘡ケアを優先するか否かを検討する
③褥瘡発生因子が取り除けるかどうかの検討を十分に行い、ケア目標設定をする
緩和ケアが優先される終末期のがん患者さんには、さまざまな症状による苦痛が出現します。
第一に優先すべきことは、患者さんのQOLを考えなければならないということです。緩和ケアか褥瘡治療かどちらか一方を優先するのではなく、患者さんの病期や病状に合わせた包括的な視点が必要になってきます。
予後を踏まえて褥瘡ケアの方針を考える
そのためには、患者さんの予後を予測するという視点が大事です。なぜなら、予後が日単位の患者さんの身体症状による苦痛が強いなかで、褥瘡治療を優先しようとすると、体位変換そのものが苦痛の増強につながる可能性があるからです。
一方、予後が月単位の患者さんに緩和ケアを優先するあまり、「痛そうだから」と圧分散がまったくなされなければ褥瘡悪化を招き、さらなる苦痛をもたらすことにもなり得ます。 患者さんの予後予測については、いくつかのスケールがあります。主治医に確認しながら、表1、表2のようなスケールを利用するとよいでしょう。
表1 Palliative Prognostic Score(PaP Score)(点)

表2 Karnofsky Performance Scale

PaP Scoreを用いて採点した例を示します。
PaP Scoreを用いた採点の例

こちらもチェック!がん終末期の褥瘡対策:ステージ別のケアとマットレスの選び方
終末期患者への褥瘡治療の具体的な進め方
具体的な判断の進め方をアルゴリズムに示しました(図1)。また、患者さんのQOLを検討して緩和ケアと褥瘡治療を実施した事例も示します。
図1 具体的な進め方のアルゴリズム

事例:緩和ケアも褥瘡治療も! 患者さんの QOL を考えて検討
この記事は会員限定記事です。

