血病などの骨髄性疾患を診断するための骨髄穿刺(マルク)検査。その手順や、穿刺部位ごとの特徴、採取した検体の提出方法などをわかりやすく解説します。
骨髄穿刺(マルク)検査とは?
骨髄穿刺(マルク)検査とは、白血病などの骨髄性疾患を診断するために、骨髄を穿刺して骨髄液を採取する検査のことです(手順①~③)。
骨髄穿刺(マルク)検査の手順
手順①患者の状態の確認と検査の説明をする
手順②患者の骨髄を穿刺し、骨髄液を採取する
手順③圧迫止血し、検体をすみやかに提出する
骨髄穿刺(マルク)検査実施のポイント
一連の流れを「穿刺前」「穿刺中」「穿刺後」「検体の取り扱い」に分けてポイントを挙げます。
患者の状態確認
血友病など高度の凝固異常がある場合は、穿刺による後出血の危険性があるため、骨髄穿刺検査は禁忌です。
血小板減少の場合は禁忌ではありませんが、止血において十分な配慮が必要となります。
骨粗鬆症や骨髄腫の患者では骨が軟弱になっている可能性があるため、特に注意が必要です。
患者への説明
骨髄穿刺は侵襲性が高く「骨髄を吸引」するというイメージから心理的な負担となり、過呼吸を起こす患者もいるため、鎮静薬が必要な場合もあります。
骨髄液を吸引する際には強い痛みが生じるため大声を上げたり、大きく体を動かしたりすることがあります。
●十分な麻酔下で実施される
●骨髄吸引の際は、「全身が引っ張られるような感覚」があるが、時間はほとんどかからない
など、事前の十分な説明が必要です。
また、消毒液、麻酔薬を用いるためその過敏症の有無の確認も必要です。
穿刺部位の選択
下記1に胸骨・腸骨それぞれの「利点」「有害事象」等を示します。今日においては、ほとんどが腸骨からの採取です。穿刺部位が患者からはほとんど見えないため、手技の経過状況を伝えることで、患者の安心が得られることがあります。
穿刺で選択する部位の特徴1
胸骨

対象
●太りぎみの高齢者
●出血傾向のある患者
●全身放射線照射を受けた患者
●外科的穿刺適応者
●(小児では推奨されない)
姿勢
●仰臥位
利点
●穿刺部位が確認しやすい
●皮下脂肪が少ない
●皮下直下に骨髄腔がある
●平坦である
●骨髄断片混入が少ない
欠点(危険性)
●骨髄腔を穿通させてしまう
●胸骨下には太い血管が走っている
有害事象
●胸骨骨折
●血気胸
●心タンポナーデ
●麻酔薬によるアレルギー反応(掻痒感・蕁麻疹・呼吸促迫・ショック)
●イソジン・アルコール消毒が不完全なことによる骨膜炎などの感染症
腸骨 *ほとんどの場合こちらを選択

対象
●大人、小児ともに一般的
姿勢
●横臥位をとらせ、大腿部をやや屈曲
●腹臥位
利点
●骨皮質が比較的薄い
●骨髄腔が広い
●筋・伳がない
●大きな血管や神経、直下に致死的なリスクのある臓器がない
欠点(危険性)
●特に高齢者において脂肪髄化*1が多い(目的としている造血巣の判断ができないため、後日再穿刺することとなる)
*1【脂肪髄化】=造血に関係する赤色髄が、加齢にともなって脂肪に置き換わっていくこと。
有害事象
●筋肉内出血
●下肢麻痺
●麻酔薬によるアレルギー反応(掻痒感・蕁麻疹・呼吸促迫・ショック)
●イソジン・アルコール消毒が不完全なことによる骨膜炎などの感染症
(文献1より引用、一部改変)
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