20世紀半ばから現在に至るまで、看護は多くの変化と困難を乗り越えてきました。その中で「書く」という営みを通じて、看護実践の価値を問い続けた川嶋みどり先生が、これまでの経験と想いを綴った言葉を厳選し、一冊の本にまとめたのが『川嶋みどり看護の羅針盤 366の言葉』 (ライフサポート社、2020年)。 

 この連載では、本書に収載された看護の現場や看護職の想いだけでなく、個人としての視点や感性も込められた366の言葉を、毎日1つずつご紹介します。

ピアノ演奏のもとでの
看護師自身の身体そのものを
ツールにして、「触れ」「撫で」
「支え」「握る」など
相互に体温の通じ合う接触を
通しての人格の関わり合いが
そこにはあった

 20年以上続けた看護音楽療法の中で、最初の5年間は試行錯誤をくり返しながら在宅で暮らすパーキンソン病の高齢者へのアプローチであった。(中略)

 現代医療の進歩をもってしても解決できないこの疾患特有の苦痛や不快、不能にからむ不安を、ピアノ演奏のもとでの看護師自身の身体そのものをツールにして「触れ」「撫で」「支え」「握る」など、相互に体温の通じ合う接触を通しての人格の関わり合いがそこにはあった。

(出典:『日本看護研究学会誌』25(1)、日本看護研究学会)

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