褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回は水疱があるMDRPUのケアについて紹介します。
この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
水疱があるMDRPUの場合の足趾のd2褥瘡のケア方法は?
〈症例〉
d2-e0s6i1g0n0p0:7(点)
●50歳代、男性、重症膵炎で集中治療中。
●下肢に肺塞栓予防のストッキング、ふっとポンプを装着中に発生した。
●発生部位は左下肢第5足趾外側。

改定 DESIGN-R® 2020を用いた褥瘡の評価についてはこちら
ストッキングやフットポンプなどの用品を見直す
肺塞栓予防用フットポンプのパットには、足底に装着するもの、下腿に装着するものなどさまざまなものがあります。
この患者さんは、肺塞栓予防用のストッキングと、足底にパットを装着するタイプの器具を使用していました。それにより、創部には体圧に加え、さらに圧迫やずれを加えるものが存在しており、それが褥瘡の原因になったと考えられます。
ストッキング等は、治療上必要な医療器具ですが、使用中に傷をつくらない工夫を検討する必要があります。「治療上必要」なため、医師との相談も不可欠です。 そこで、医師と相談し、ストッキングは取り外し、フットポンプはパットを下腿用に変更して使用を継続しました(図1)。
図1 下肢用フットポンプのパットに変更

ポリウレタンフィルムで水疱が破綻しないよう保護する
水疱ができた“下肢の外側”は、入眠中も無意識に動かす部位で、こすれやすいのが特徴です。
水疱が破綻すると疼痛も伴うため、ポリウレタンフィルムで水疱全体を覆って保護し、水疱の内容物が身体に吸収されるのを待ちます。
ただし、全身性に浮腫が急激に増大する状態においては、ポリウレタンフィルムを貼ることでフィルムの縁に新たな水疱が発生してしまう可能性があります。貼付の前には、全身状態の把握が必要です。
(第17回)

