日々進化する治療・ケアにかかわる用品がもたらした変化、活用する際の注意点などを紹介!今回は気管チューブ管理におけるカフ圧計の役割を取り上げます。適切なカフ圧管理のため、適切な使用法を確認しましょう。
カフ圧管理の重要性
気管チューブにおけるカフの役割は、人工呼吸中のガスリークの防止と誤嚥の防止です。カフを膨らませることにより、気道とチューブの隙間を少なくし、換気量を確保し、誤嚥を予防します。カフを膨らませすぎると気管粘膜障害を起こし、逆にカフの膨らみが足りないと誤嚥の危険が高くなるので、適切なカフ圧管理が大切です。
カフ圧計が使用される前は、カフに注入する空気量は容量(cc)で計測し管理していました。しかし、人間の気管の形状は個人差があり、カフにもさまざまな大きさや形状があるため、同じ空気量で管理していても患者によって気管にかかる圧が異なってしまいます。そこで、カフが気管へ及ぼしている圧を計測し、カフによる気管への影響を最小限にするために考えられたのがカフ圧計(図1)です。
図1 カフ圧計の例

ハイ・ロー™・ハンドカフ圧ゲージⅡ(画像提供:コヴィディエンジャパン株式会社)

RUSCH エンドテスト(製造販売:テレフレックスメディカルジャパン株式会社、販売:東レ・メディカル株式会社)
カフ圧計と自動カフ圧計
体位や首の向きなどにより、カフ圧は変動します(図2)1。そのカフ圧の変動によりカフ上部の分泌物が気管へ流入するのを回避するために、持続的にカフ圧を測定し、一定のカフ圧管理ができる自動カフ圧計を使用することもあります(図3)。
図2 カフ圧の経時的変化

図3 自動カフ圧計の例
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