日々進化する治療・ケアにかかわる用品がもたらした変化、活用する際の注意点などを紹介!今回はさまざまな糖尿病管理ツールを取り上げます。食事、血圧、活動量などを測定して血糖コントロールに活用できます。

食事、運動など生活のあらゆる情報が血糖コントロールに役立つ

 インターネットや携帯端末の利用が普及するにつれ、疾病管理にまつわるツールが数多く登場しています。糖尿病に関しても、食事管理や運動管理に加え、体重・血糖・血圧・塩分管理など、豊富なラインナップのアプリ(アプリケーションソフト)が存在します(図1・2)。

図1 食事・運動・体重・血糖・血圧管理ツールの例

健康管理アプリ カロミル

健康管理アプリ カロミル(画像提供:ライフログテクノロジー株式会社)
●カロリーのみでなく、糖質やたんぱく質、塩分、食物繊維、ビタミン、ミネラル など28栄養素の計算・記録もできる

図2 運動・睡眠管理ツールの例

Fitbit

Fitbit (画像提供:Google)
●対応するウェアラブル端末を身に着けているだけで、内蔵する加速度計を使って、歩数、消費カロリー、睡眠状況などを計測することができる 。

 糖尿病治療の基本は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」であり、“食べる”“動く”を中心とした日々の生活が血糖値を左右するため、あらゆる情報を得ることが糖尿病患者の血糖コントロールに有益となります

 従来の管理は、患者自身が記録用紙に血糖値を記入するスタイルで、必要となる情報は、こと細かに患者が書き留めるという方法で行われています。それでなくとも食事をする前に、インスリン注射や血糖測定などを行わなければならず、日々のわずらわしさが多いと患者は感じています。
 しかし、昨今のアプリなどを利用することで、それらの手間が省けるばかりか、これまでよりも正確かつタイムリーな情報を得ることで、良好な血糖コントロールの助けとなることが期待できます。

患者と医療者がデータを共有できることもメリット

 アプリケーション(図3)を利用することで、「食事メニュー 」は写真撮影により摂取量もバランスも一目瞭然で把握しやすく、さらに「活動量」もスマートフォンを持ち歩くことで歩数が自動的にカウントされアプリに記録されるなど、簡便かつ正確に情報が得られます。

 さらにそれらの情報と血糖値との関係もグラフ化されることにより、医療者だけでなく、患者自身も目に見えて血糖値が“高め”“低め”という傾向をとらえやすくなりました。

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