検査・治療の帰室後の急変に注意!今回は、心臓カテーテル検査後に出血をさせないための安静への援助方法や、疼痛緩和について解説します。

出血をさせないための安静への援助

出血をさせないための安静への援助

橈骨動脈・上腕動脈穿刺の場合

 橈骨動脈の穿刺の場合は、上肢の安静を行います。
 穿刺部位の反対側には点滴のためのルートが確保されており、非常に不自由な状態にあります。検査後の車椅子への移動やトイレの際に無意識に手を使い、穿刺部位へ力を加えることが多くあります
 患者には、動脈の穿刺であるため力を加えたり、曲げたりすると出血の原因になることを説明します。移動時やトイレ介助時に状況を確認し、穿刺部位の上肢の安静が保持できるか確認をします。

 できないと判断した場合には、固定具を使用します。上腕動脈の場合は、関節に位置し自然に屈曲するため、術後より固定されています。特に術後1時間は、術中の鎮静薬などの効果のため足元がふらつきやすく、造影剤の影響で排尿回数が多い状態です。
 上肢の安静を保持するためにも、患者へ説明をしっかり行い、ナースコールの前に訪床できるようにします。

大腿動脈穿刺の場合

 大腿動脈の穿刺の場合は、下肢を伸展させたまま、ベッド上安静を長ければ翌朝まで強いられます。そのため、同一体位による身体の痛みを生じます。そのなかでも腰部痛が多く訴えられます。腰部のマッサージや腰部への枕の挿入、適度な体位交換を行います。

 また、食事や排尿は仰臥位で行うため、食事のセッティングの工夫、排尿の介助が必要です。 さらに、近年では検査を受ける患者は高齢化しています。患者の身体能力を的確にとらえ、安静を保持したうえで先回りした援助が必要となるでしょう。

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