別部門での検査・治療から帰ったあとに起こる変化は意外と多い!担当ナースとしておさえておきたい、「帰室時の状態」や「異常への対応」をわかりやすく紹介します。
気管支鏡検査:帰室後急変・急性合併症
バイタルサインの測定は帰室直後、30分後、1時間後、2時間後に行い、血痰の有無や色・性状の観察、呼吸音の聴取、呼吸困難感や胸痛の有無の観察を行います。 検査中の出血の有無や量、酸素投与の有無によって、訪床時間やバイタルサイン測定の回数を増やし、異常の早期発見に備えましょう。
安全かつ確実に検査後の観察をするための看護のポイントを、しっかりと学んでおくことが大切です。
肺・気管支からの出血(2大合併症の1つ)

原因・症状
細胞や組織を採取する際には、少ないながらも必ず出血を伴います。通常は少量の出血ですぐに止血しますが、まれに出血量が多くなる場合があります。特に基礎疾患(血液疾患、肝硬変、腎不全)、抗血小板薬や抗凝固薬の内服がある患者は出血しやすく、止血しにくいため注意します。
見抜き方
鮮血の痰が多量に出たり、安静解除後も血痰が持続する場合は、頻回に訪床して呼吸状態の観察を行う必要があります。SpO2の低下や呼吸困難感、呼吸音に注意しましょう。
治療対応
鮮血の多量の痰が喀出された場合は医師に報告し、止血薬や点滴の投与、心電図モニタの継続について確認しましょう。呼吸状態の悪化やバイタルサインの変化にすぐに対応できるよう、点滴の投与が翌日まで必要になることがあります。
ナースの配慮点
自己喀出が困難な場合は、出血による窒息を防ぐために吸引や体位変換を行います。出血が明らかな場合は、健側への血液の流入を防ぐため健側を上にした体位をとります。検査後2時間は半覚醒状態のためベッド上安静ですが、その後はギャッチアップやベッド上座位でもかまいません。
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