ドライスキン病態のかゆみ治療法の開発に寄与する可能性が示唆される

 順天堂大学は2024年12月3日、同大の研究グループがアトピー性皮膚炎の治療薬であるJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬に、機械的かゆみ過敏の即時的な治療効果があることを発見したと明らかにしました¹。

 「機械的かゆみ過敏(機械的アロネーシス)」とは、通常ではかゆみを引き起こさない程度の弱い刺激(機械刺激)でもかゆみが引き起こされる現象です。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患で起こりやすく、患部を掻いてしまうことで炎症やかゆみのさらなる悪化につながります。

 本研究では、機械的かゆみ過敏が生じたマウスに3種類のJAK阻害薬を飲ませてその抑制効果を調査しました。結果、単回投与で投与30分後すぐに機械的かゆみ過敏を抑制し、そのなかでもJAK1選択的阻害薬が最も効果があると明らかになりました¹。

 この結果を受け同研究グループは、「アトピー性皮膚炎を含めたドライスキン病態のかゆみに対する、より有効な治療法の確立」をめざすとしています¹。

1.順天堂大学ホームページ:JAK阻害薬に機械的かゆみの即時的な治療効果があることを発見―機械的かゆみ抑制機序の一端が明らかに―.
https://www.juntendo.ac.jp/news/21108.html(2025.1.20アクセス)