肝機能を調べるBSP試験と腎機能を調べるPSP試験の実施手順を解説。BSP試験におけるアナフィラキシーの副作用リスク、PSP試験における食事や服薬の影響など、検査時の注意点を紹介します。

BSP試験とは?

 BSP試験とは、ブロムサルファレイン(bromsulphalein、BSP)という無色の色素を静脈内投与し、その45分後に採血を行うことでその体内停滞率を評価し、肝機能を調べる検査です。

 検査手順を図1に示します。肝臓の血流は食事に影響を受けるため、また、食事により中性脂肪が上昇し、血液が濁ることで測定方法への影響も考えられるため、早朝空腹時にBSPを5mg/kg静注します。そして「45分」「90分」「120分」後に、それぞれ静注した反対側の肘静脈より採血します。採血時間は、可能な限り正確さが求められますが、時間を過ぎた場合は担当医師に報告しましょう。なお、採血後は安静・禁煙とします。

図1 BSP試験の実施手順

BSP試験の実施手順

 基準値は2%以下ですが、高値が出た場合は表1のような原因が考えられます。なかでも体質性黄疸のDubin-Johnson(デュビンジョンソン)症候群*1では、グルタチオン抱合されたBSPが胆汁に排泄されず、肝細胞から血液へ逆流し、注射後45~90分後にBSPの体内停滞率が再上昇する特徴があります。

【Dubin-Johnson症候群】=黄疸の一種。直接ビリルビンの値が高くなり、肝臓が黒色化するが、予後は良好。

表1 BSP試験で高値が出た場合に考えられる原因

●慢性肝炎
●Dubin-Johnson症候群
肝硬変
●Rotor(ローター)症候群*2

*2【Rotor症候群】=臨床的にDubin-Johnson症候群と類似するが、肝臓に色素沈着はない。

アナフィラキシーの副作用に注意

 BSP試験は、同じ肝機能検査のICG検査と比較して副作用の報告が多く、アナフィラキシーによる死亡例も報告されています。副作用の影響から現在では検査されることが少なく、実施する症例を適切に選択する必要があります。また、実施時は患者の様態を常にチェックすることが必要です。

PSP試験(腎機能試験)とは?

 フェノールスルフォンフタレイン(phenolsulfonphthalein、PSP)試験は手技が比較的簡便な腎機能検査であり、腎臓の血流量、近位尿細管の機能などを総合的に評価することができるために広く使用されてきました。しかし、現在ではPSP試験に代わる腎機能検査(クレアチニンクリアランスなど)が広く利用されるようになったことから実施されることが少なくなっています。

 まず患者に完全排尿後、水500mLを飲んでもらいます(図2)。30分後にPSP溶液1.0mLを正確に静注します。静注後、「15分」「30分」「60分」「120分」後に完全に排尿させて採尿します。

図2 PDP試験の実施手順

PDP試験の実施手順

 結果の解釈は各時間での採尿検体から得られた値のパターンで判定しますが、特に15分値が用いられます(表2)。検査時の注意事項は表3のとおりです。

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