ストーマについての「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せらた“実践的なギモン”までお答えします。今回はやむを得ない状況でストーマを緊急造設する場合、通常の手術と異なる点や気をつけるべきことについて、基本から紹介します。
消化管穿孔や腸間膜動脈閉塞症などの場合がある
消化管穿孔は、がん(腫瘍)や腸重積、結腸軸捻転、宿便などさまざまな要因で発生する可能性があります。
腸間膜動脈閉塞症の要因には、血栓あるいは塞栓(飛んできた血栓によって血流が遮断)があり、他にも、器質的な閉塞がないにもかかわらず腸管虚血に陥る非閉塞性腸管虚血(NOMI)があります。
いずれも血流の低下や遮断によって腸管虚血をきたした結果、広範な腸管壊死が生じます。
穿孔部や腸管壊死部分を切除し、再建した腸管の癒合を促すために、病変部分より口側の腸管にストーマを造設することがあります。 造設したストーマは、病変を除去した後に、肛門までつながる腸管に戻せるかどうか(ストーマより肛門側の腸管が、食べ物の通り道としてまた使えるようになるかどうか)で永久ストーマか一時的ストーマになるかが決まります(図1)。
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