ストーマについての「これだけは知っておきたい!」という“基礎のギモン”から、現場から寄せらた“実践的なギモン”までお答えします。今回はコロナ禍を経て知っておきたい、ストーマケアにおける感染対策について解説します。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染経路は、感染者(無症状病原体保有者を含む)から咳、くしゃみ、会話などの際に排出されるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾルが目や鼻、口などの粘膜に付着したり呼吸器に入ること、汚染された環境に触れた手で、目や鼻、口などの粘膜に触れたりすることによって感染します。

 したがって、感染対策には標準予防策に加えて、飛沫予防策と接触予防策、そして空気予防策を適切に行う必要があります。

 オストメイトが入院した場合、特別な感染予防策は必要ありません。他の感染者と同様の感染予防策を行ってください

 オストメイトが自粛生活を送られている場合に関しても、特別な感染対策の必要はありません。ストーマからの排泄物は通常どおりにトイレで流しましょう。

 トイレを同居者と共有する場合は、感染者の使用後に通常の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。トイレ内で手を洗ったタオルは共有しないようにしましょう。

 万が一、感染したオスメイトの排泄物が衣類に付着した場合は、手袋、マスクを使用し、一般的な家庭用洗剤を用いて洗濯機で洗い、洗濯後に完全に乾かします。
 排泄物が付着している衣類は、他の衣類や同居人の衣類とは別に洗いましょう。

 使用済みのストーマ装具はビニール袋に入れ、密閉して捨てましょう。ビニール袋自体をごみ集積所に出すときにアルコール消毒をしましょう。また、ごみを触った後は必ず手洗いを行ってください。

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