看護師が日常ケアの延長でできるリハビリテーション“ちょっとリハ”とは?今回は、食事前の環境整備でできるケアを紹介。座位姿勢やベッド上の場合の褥瘡予防のポイントを解説します。
自身で食事をするためには“座る”ことが大切
食事場面での基本は、できるだけ通常の食事をする状態に近づけるということです。
少しでも日常と同じ状態で食事をするためには、まず「座る」ことが大切です。座るだけでも体幹に重力がかかり、嚥下も臥位より座位のほうが行いやすく、また便が下がりやすくなるので便秘の解消にもなります。
車椅子の場合、足底をフットサポートから降ろして接地させるだけでも、食事姿勢が大きく異なり、嚥下がよくなったり、自力摂取が行いやすくなります(図1)。
図1 足を接地させる

●体が前に出やすくなるため上肢が使いやすくなり、自身で食事がしやすくなる
ベッド上で、ただ背中の部分を起こすだけでは座骨や仙骨に対してストレスが大きくなり、褥瘡をつくりやすくするだけなので、必ず膝下の部分も上げます(図2)。
図2 背中と同時に膝下も上げ、褥瘡を予防する
この記事は会員限定記事です。