褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回は皮膚の浸軟による皮膚トラブルの予防について紹介します。撥水クリームやおむつの正しい使い方を確認しましょう。
この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
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皮膚の浸軟による皮膚トラブルを防ぐには?
〈症例〉
●腸炎による泥状便が多量に見られ、おむつ交換のたびに臀部全体が汚染する。
●皮膚はやわらかく、臀部の皮膚がお互いに密着するため、便が停滞しやすい。
●肛門近接部の皮膚に浸軟が見られる。

排泄物の皮膚への付着を撥水クリームで予防する
おむつ内の環境は高温多湿です。失禁状態にあったり、水様便が皮膚に付着したままでは、皮膚が浸軟しやすくなります。浸軟した皮膚は、バリア機能が破綻し皮膚トラブルの原因となります。
排泄物を付着させない対策として、撥水クリームを使用します(図1)。 撥水クリームは、撥水性の被膜によって水分の侵入をブロックします。
撥水クリームを使うときは、余分な水分を除去してから、便が接触する範囲よりも広範囲に塗布します。塗布回数は、排泄回数、排泄量をふまえて検討します。
図1 排泄物の付着を防ぐ撥水クリームの例


また、ポリエステル繊維綿(スキンクリーンコットンSCC、図2)を使用すると、皮膚に尿や下痢便の水分を拡散することなく、おむつやパットに吸収させ、臀部への付着を防止できます。
図2 失禁をすばやく尿取りパッドやおむつに移行させる製品の例

おむつの重ね使いを見直す
浸軟した皮膚は脆弱な状態であるため、便汚染を拭き取ることで生じる摩擦をできるだけ避ける必要があります。そのため、おしり用清拭剤を使用するなどして、やさしく拭き取ることが大切です。
また、おむつの重ね使いは、高温多湿の環境を助長するだけでなく、横漏れの原因となります(図3)。
横漏れは、重ね使いによって排泄物が貯留するスペースを狭くしてしまうこと、アウターのギャザーより尿取りパットが上になりやすいことが原因です。 失禁量をアセスメントして、適切な吸収量のおむつを選択します。また、下痢や水分の多い軟便に対しては、軟便パッド*を使用します。
*軟便が目づまりしづらい構造の専用パッド。アテント Sケア 軟便安心パッド(大王製紙株式会社)などがある。
図3 おむつの重ね使い

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