褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回は改定 DESIGN-R® 2020を活用した褥瘡の評価について紹介します。
この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載および複製等の行為を禁じます。
褥瘡の深さによる評価
褥瘡のケアや治療は、患者さんに合わせてさまざまな方法が選択されますが、ケアを決める重要なポイントの1つに褥瘡の深さによる評価があります(図1、図2)1。
なぜなら、褥瘡は深さにより治癒過程が異なり、必要なケアや治療も異なってくるからです。
図1 改定 DESIGN-R® 2020の深さの採点

改定 DESIGN-R® 2020の深さの採点
d0:皮膚損傷・発赤なし
d1:持続する発赤
d2:真皮までの損傷
D3:皮下組織までの損傷
D4:皮下組織を超える損傷
D5:関節腔、体腔に至る損傷
DDTI:深部損傷褥瘡(DTI)疑い
DU:壊死組織で覆われ深さの判定が不能
(文献1より引用)
図2 治癒過程の深さの採点

反応性充血(d0)とd1褥瘡をどう見分ける?
d1褥瘡は、発赤を伴っており、「圧迫により血管が障害を受けて、赤血球が血管外に漏出する」2ことで生じています。毛細血管の拡張による、いわゆる「反応性充血」との区別が必要です(図3)。
d1褥瘡では、赤色の違い(濃淡)に着目します。濃い部分は d2となっている場合があるため注意が必要です。
また、骨突出部位と離れ、紫斑や栗色などを伴う発赤は、DTIなどの深い褥瘡である場合があるため、特に注意します。
図3 「反応性充血」と「d1褥瘡」の鑑別方法

d2褥瘡とD3褥瘡をどう見分ける?
d2褥瘡とD3褥瘡の見分け方を表1に示しました。深さ(D)の判定は、創内の一番深い部分で評価します。
表1 d2褥瘡とD3褥瘡の違い

真皮と皮下組織での褥瘡では、治癒過程が異なります。真皮までに限局する褥瘡(d2)では、毛根の周囲に表皮基底細胞が残存し、毛根周囲から表皮が再生されるため、短期間での治癒が期待できます。
しかし、皮下組織から深い褥瘡(D3)以上の場合は、創はまず肉芽組織で充填され、創周囲の皮膚(創縁)から表皮化が進み瘢痕化します。 d2とは違って修復しながらの経過をたどるので、治癒までに時間がかかります。
D3褥瘡とD4褥瘡をどう見分ける?
D3とD4との違いは「皮下組織までの損傷か」「皮下組織を越えて損傷があるかどうか」です。
皮下組織は脂肪組織が多く、臨床では、D3もD4も創の周囲皮膚と創内で段差があります。しかし、D4褥瘡ではそれに加えて、創底に筋膜や筋肉や腱などが露出しています。
創傷治癒は、D3では皮下組織が残っていますが、D4の場合皮下組織がほとんどなく、創底の肉芽が盛り上がってから創の収縮、表皮化という過程をたどります。
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改定 DESIGN-R® 2020 褥瘡経過評価用
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