褥瘡・創傷ケアのコツを豊富な症例写真とともに解説。今回は仙骨部の評価スケールd1褥瘡のケアについて、高機能エアマットレスやポジショニングクッション、ドレッシング材を活用したケアを紹介します。
この記事は『エキスパートナース』2018年6月号特集を再構成したものです。
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仙骨部のd1褥瘡へのケア方法は?
仙骨部では、仰臥位か30°側臥位での除圧不足などが主な原因で発生します。体位変換時間や体圧分散マットレスの再評価による徹底した圧分散が必要です。
〈症例〉
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●独居で急に具合が悪くなったため、尿失禁と自己体動ができないことによる圧迫が原因で褥瘡が発生した。
●骨突出部に一致した発赤。
●形は不整形で、失禁などの影響が考えられる。

改定 DESIGN-R® 2020を用いた褥瘡の評価についてはこちら
全身の除圧のため高機能エアマットレスを活用する
この患者さんは高齢で自力体位変換ができず、病的骨突出があり、仙骨に褥瘡を保有しています。そのため、3層式で底づき予防ができ、圧切替型で低圧が保持できる高機能エアマットレス(図1)を使用しました。
図1 高機能エアマットレスの例

高機能エアマットレスは、ガイドラインで高齢者の褥瘡予防に推奨されている「2層式エアマットレス」と同様の効果が期待できます。
局所の除圧のため体位変換を行う
仙骨の除圧のため、仰臥位を避け、ポジショニングクッション(図2)を用い、左右の30°側臥位を中心に行いました。 しかし、殿筋が乏しく骨突出が著明な患者さんでは、30 °にすることで、逆に仙骨が圧迫を受ける場合もあるため注意が必要です。
図2 ポジショニングクッションの例

ポジショニングピローバナナフィット(画像提供:パラマウントベッド株式会社)
図2のクッションは、身体のラインにフィットしやすいため、圧力を分散し、筋緊張が緩和され、安楽な姿勢を保持しやすいです。
必要時は特殊なドレッシング材で保護する
仙骨部の発赤への対応
発赤のある仙骨部は、メピレックス®ボーダーフレックス(図3)で保護しました。この製品は、クッション性があり、粘着力の強くないシリコーン素材です。
図3 保護用ドレッシング材の例

本来は皮下組織に至る創傷用のドレッシング材で、この事例では保険適用外*です。
しかし、濃淡の2種類の発赤があり、濃い色の発赤部分は深くなる可能性もあったこと、皮膚が脆弱であったことから、こちらを選択しました。
*ドレッシング材には治療用と予防用があり、治療用のものは深さ別で保険が異なる。
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