認知症患者さんの起き上がりの介助の際は、介助者の腰痛や腱鞘炎、患者さんの褥瘡などのリスクに注意が必要。適切な介助を行うコツを紹介します。

V字で抱え上げると、介助者に腰痛や腱鞘炎の危険も

 ベッドから起き上がる際に、頸部と膝窩部に手を入れて患者さんの身体をV字にし、一気に抱え上げている場面をよく目にします(図1)。

 この方法は一見、身体とベッドの接地面積を少なくし回転を利用することで、手っ取り早く効率的に動かせているように見えますが、実際には患者さんのすべての重さが介助者にかかっており、介助者に腰痛や腱鞘炎などを引き起こす危険性が高くなります。

図1 よく行う起き上がりの介助の例

図1 よく行う起き上がりの介助の例

 また、患者さんにとっても瞬時に抱え上げられて恐怖を感じ全身が緊張するだけでなく、仙骨・尾骨に圧やズレが集中して褥瘡が発生しやすくなり、反り返った頸椎・腰椎の捻挫を生じるリスクもあるなど、きわめて負担が大きくなります。

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