知っているようで意外と知らないバイタルサイン数値の“測定手技”や“判断の根拠”。今回は『JRC蘇生ガイドライン2020』における死戦期呼吸への対応を紹介します。

死線期呼吸は心停止後数分間に生じる
2012年10月のILCOR(〈イルコア〉International Liaison Committee On Resuscitation、国際蘇生連絡協議会)会議で発表されたCoSTR(〈コスター〉Consensuson Scienceand Treatment Recommendations、心臓救急に関する国際コンセンサス)をもとに作成されたものが『JRC蘇生ガイドライン2015』です。
このガイドラインの発刊は5年ごとであり、2020年10月に、『JRC(Japan Resuscitation Council、日本蘇生協議会)蘇生ガイドライン2020』として更新されました。
『JRC蘇生ガイドライン2015』のBLS(basic life support、一次救命処置)についての重要なポイントの1つに、胸骨圧迫開始までの時間を早くすることがあり、その内容は、「反応がみられず、呼吸をしていない、あるいは死戦期呼吸のある傷病者に対してはただちに胸骨圧迫を開始する。心停止かどうかの判断に自信が持てない場合も、心停止でなかった場合の危害を恐れずに、ただちに胸骨圧迫を開始する」1というものでした。
ここで挙げられる「死戦期呼吸」とは、心停止後数分間に生じる呼吸です。
呼吸の確認は10秒以内に
心停止した直後に、しゃくりあげるような呼吸がみられることがあります。これは下顎と口元が動いているあえぎ呼吸であるため、あたかも正常な呼吸をしているようにも見え、蘇生が遅れてしまうことがあります。
死戦期呼吸では、下顎は動いているけれども胸郭と腹部に動きがなく、これが見分けるポイントになります。
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