PCA(患者管理鎮痛法)を行っている患者さんの心理についての研究結果をもとに、実践したいケアを紹介します。患者さんが安心してPCAを使うために、看護師ができる説明や支援について解説します。

前回の記事:PCAによる疼痛管理を行う患者さんの心理とは?

●術後にPCA機器を用いながら使い方を説明する
●患者さん自身が鎮痛薬を投与できるメリットを伝える
●PCAに対する患者さんの不安や恐怖心を取り除く
ケアのポイント

●手術後にPCA機器を見て、触ってもらったうえで、PCAを行うタイミング、機器の使い方を説明する
●PCAの利点を伝える
●PCA機器を使用することに伴う不安への支援をする

術後にPCA機器を用いながら使い方を説明する

 患者さんは、術前に多くの説明があったことや手術・麻酔への恐怖心があったことなどから、手術後にはPCAの術前オリエンテーションの内容を覚えていませんでした。そのため、PCAの使い方がわからなかった体験をしていたと考えられます。

 患者さんがPCA機器の使い方を理解し、手術後に使用してもらうためには、手術後の“麻酔から覚醒したあと”に、PCA機器を見て、触ってもらいながら説明することが必要です。

 手術後は麻酔により意識がはっきりしないことや痛みが伴っていることが考えられます。そのような状況では、術前の説明を思い出すことはできず、説明を聞くことも難しいでしょう。

 したがって、看護師は患者さんの状態をアセスメントし、説明を聴くことができる状態であるかを判断したうえで、実物を用いながら、「ボタンの押し方」「使うタイミング」を具体的に説明することが必要となります。

 状況によっては、患者さんが自分で使えるまでは看護師が管理することも1つの方法です。

 また、患者さんがPCA機器を操作しづらい場合(PCA機器のボタンが硬い、押しにくい等)もあるため術前に、数種類のPCA機器を用意し、使いやすいものを選んでもらうことも医師と検討しましょう。

●ボタンの押し方:ボタンが押せなくなるまで押すことを伝える。そのときに、PCA機器のボタンを患者さんに手渡して一度押してもらう、あるいは医療者が実際にPCA機器のボタンを押すところを見せる
●使うタイミング:激痛時に押すのではなく、痛み始めや違和感、少しの痛みのレベルでボタンを押す(PCAによる1回投与量は痛みの程度を下げるものであるため1)

患者さん自身が鎮痛薬を投与できるメリットを伝える

 患者さんがPCA機器を効果的に使用できるように、PCAによる疼痛管理のメリット(痛みに対して即座に対応できるなど)を伝えましょう。

 特に、患者さんが自分で判断して鎮痛薬を投与できることはPCAの最大の利点です。PCAと医療者による疼痛管理との違いとして、PCAでは対応時間の早さ(図1)や医療者への気遣いがいらないことが挙げられます。その違いを患者さんも体験していました。

図1 従来の鎮痛法とPCAによる鎮痛法のプロセスの違い                                                                                                                                                   

図1 従来の鎮痛法とPCAによる鎮痛法のプロセスの違い
文献2を参考に作成

PCAに対する患者さんの不安や恐怖心を取り除く

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