クリーニングが終わったユニフォームは、どのように納品されてきますか?鳥取赤十字病院では、自分のユニフォームが個人のロッカーの上に届けられます。それを可能にしているのが、バーコードによる管理。導入しているユニフォームリースのサービスについて、話を伺ってきました。

バーコードにより、1枚ずつユニフォームを管理

 鳥取赤十字病院の更衣室に並んだロッカー。その上にはカゴが設置され、袋に入ったユニフォームが置かれています。

 「クリーニングが終わったら、こうして上下セットで包装され、個人のロッカーの上に届きます」。そう話すのは、野澤看護副部長。ロッカーには、ユニフォームごとに割り振られている番号を掲示。こちらを目印に、業者によって納品されています。

 ユニフォームは1枚ずつバーコードで管理され、誰にレンタルされているかはもちろん、クリーニング中、配達中、洗濯回数などの状況も把握できるようになっています。

右から德田順子看護部長、野澤好恵看護副部長。

以前は確認作業や紛失がスタッフの負担に

 鳥取赤十字病院では、2024年から“ロッカー納品”によるユニフォームリースを利用。それ以前は、更衣室の前に設置された棚にクリーニング済みのユニフォームが置かれる仕組みでした。部署ごとに分けられてはいたものの、自分のユニフォームを見つけるのには手間がかかっていたそうです。

 「勤務スケジュールの都合で、すぐには引き取れない場合もありました。スタッフみんなのユニフォームが積み重なったなかから、自分のものを探すのはなかなか大変。袋に入っていないため上下もバラバラで、部署と名前を記載した内側のタグを1枚1枚確認しなければいけませんでした」(野澤看護副部長)

 また、時には所在不明になってしまうことも難点だったとか。
「部署異動があると、タグに書いている所属名をマジックで書き直していました。しかし書き直しを忘れたり、繰り返しのクリーニングで文字が薄くなると、別の部署に混ざってしまうことがありました」
 自分のユニフォームが紛れていないか、棚に張り紙をしたり、別の病棟まで探しに行ったりするスタッフもいたといいます。

クリーニングされたユニフォームを着て業務を行う看護師たち。

クリーニングへ出すのも手軽、業務負担が軽減

 そんな折に知ったというのが、バーコードシステムによるユニフォームのリースです。「個人ごとに分けてロッカーに納品してくれる、そのようなシステムがあることに驚きました」と、德田看護部長。
 「更衣室に外部の業者の方が入ることに懸念はありましたが、それよりも業務負担を軽減できるメリットのほうが大きいと感じました」

 現場のスタッフも、「自分のユニフォームを探す手間が省け、とても楽。勤務前に届いていて、すぐに業務を始められます」と話します。

 クリーニングに出す際は、更衣室の前に置かれた回収ボックスへ。「以前は看護部で専用の名簿を作り、クリーニング状況を管理していたんです。クリーニングに出すたびに書き込んだり、部署異動の際に名簿を作り直したりする必要もなくなりました」と、野澤看護副部長。また、新しくスタッフが入った場合のユニフォームの準備もスムーズ。サイズ交換が無料という点も特徴です。

 「みんなのストレスを緩和できたことが一番のメリットです。負担が減ったことで、スタッフが看護業務に専念できていると感じます」(野澤看護副部長)

バーコード情報を基にユニフォームを自動で個人別に仕分けしロッカーまで届けてくれるIT化の進んだクリーニング工場。
工場でのバーコード読み取り作業の様子。

鳥取赤十字病院

〒680-8517 鳥取市尚徳町117番地

 創立は1915年。赤十字の「人道・博愛」の精神のもと、「地域に愛され信頼される急性期病院を目指す」をビジョンとしている。地域医療支援病院として地域の病院や診療所との連携を図りながら、患者さんの1日も早い社会復帰を支援している。
 「看護部では、地域の中核病院として、入院前から退院後まで、患者さんが安心して地域で療養生活が送れるようにしたいと考えています。入院したことによって患者さんのADLが低下しないよう、患者さんにとっての最善を考えたケアができるように取り組んでいます。患者さんの力を引き出しながら、看護師も1人ひとりが力を発揮し、引き続き、一丸となって地域の療養生活を支えていきたいです」(德田看護部長)