「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は脳神経疾患による合併症の1つ、言語障害について紹介します。

運動性失語と感覚性失語

「話せなくなる」失語と、「理解できなくなる」失語

 脳血管疾患に関連する言語障害の代表的なものに、失語構音障害があります。失語に関しては多くの細かな分類があり、すべてを解説することはできませんが、ここでは運動性失語と感覚性失語を取り上げてみます。

図1 脳の障害部位と言語障害

脳の障害部位と言語障害

 失語とは、「読む」「書く」「話す」「聞く」の機能が失われた状態です。運動性失語は、聴覚的な理解は可能ですが、話すことができません。運動性失語の責任病巣はブローカー野図1-①)と呼ばれるところであり、ここは言葉をつくる場所になります。言葉をつくることができないので、言葉を話すことが難しくなります。

この記事は会員限定記事です。