「脳」と「麻痺」の基本と応用について解説!今回は麻痺のある患者さんに行う食事介助のポイントを紹介します。
食事を安全に楽しんでもらうために誤嚥を予防する
ある調査の結果を見ると(表1)1、入院している患者さんや施設に入所している利用者の方が、家族の訪問より楽しみにしているのは食事であることがわかります。ですから、どんな状況においても、口から食事を摂取できる準備を行っておくことが大切です。
表1 要介護高齢者の日常における関心事(施設で楽しいこと)
●特別養護老人ホーム(9施設、n=773)
1位:食事(44.8%)
2位:行事参加(28.0%)
3位:家族訪問(25.%)
●老人保健施設(13施設、n=1,324)
1位:食事(48.4%)
2位:家族訪問(40.0%)
3位:行事参加(35.2%)
●老人病院(9施設、n=362)
1位:食事(40.0%)
2位:家族訪問(39.4%)
3位:テレビ(28.3%)
●療養型病院(1施設、n=50)
1位:食事(55.1%)
2位:家族訪問(55.1%)
3位:テレビ(30.0%)
(文献1より引用)
脳血管障害のある患者さんの嚥下障害は、急性期では30~40%と言われています2。また、脳血管障害の既往がある患者さんにも嚥下障害があると考えられるため、食事は慎重にしなければなりません。最も重要なのは、誤嚥を予防することです。そのためには、まず姿勢に注意しなければなりません。
食事介助の準備のポイント
食事を介助するとき、皆さんはどのように行っていますか? 介助が必要な患者さんに対しては、頸部の位置に注意が必要です。顎が上がっていては飲み込みにくく、誤嚥の可能性が高くなります(図1)。これを防ぐためには、看護師も座って、目線を同じ高さにして介助する必要があります。
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