一部サービスにおける経過措置期間の終了を受けて作成

 厚生労働省は1月20日、介護保険制度における高齢者虐待防止措置未実施減算、身体拘束廃止未実施
減算についてのQ&Aを公開しました¹。これらの減算は2024年度介護報酬改定において新設・拡大さ
れたものです。本Q&Aは、4月より一部サービスにおいて身体拘束廃止未実施減算の経過措置期間が
終了することをふまえて作成されました。

 Q&Aで示された内容は、表のとおりです¹。身体拘束廃止未実施減算が適用されると、療養介
護などでは10%²、居宅介護などでは1%³が、利用者全員分の基本報酬から減算となります。

表 Q&Aで示された内容

身体拘束廃止未実施減算の適用について
●利用者に対して身体的拘束等をしていない場合においても、身体的拘束等の適正化を図るためのすべての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の実施)がなされていなければ減算の適用となる
●運営指導等で行政機関が把握した身体的拘束等の適正化を図るための措置が講じられていない事実が、発見した日の属する月より過去の場合、遡及して当該減算を適用することはない
●身体的拘束の検討について、三つの要件(切迫性、非代替性、一時性)すべてを満たすことの記録が確認できなければ減算の適用となる
※訪問系サービスおよび通所系サービス等について、減算の適用はないが、当該要件を満たした記録の確認ができない場合は指導の対象になる

高齢者虐待防止措置未実施減算の適用について

●「高齢者虐待防止のための研修」の必要な実施回数については、サービスにより異なる
【年に2回以上】(介護予防)特定施設入居者生活介護、(介護予防)認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院
【年に1回以上】その他のサービス

(文献1を参考に作成)

1.厚生労働省老健局高齢者支援課:介護保険最新情報 Vol.1345 高齢者虐待防止措置未実施減算、身体拘束廃止未実施減算の取扱いに係るQ&Aの周知について.
https://www.mhlw.go.jp/content/001378290.pdf(2025.2.20アクセス)
2.厚生労働省:平成30年度介護報酬改定の主な事項について.2018:21.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000196991.pdf(2025.2.20アクセス)
3.厚生労働省:令和6年度介護報酬改定における改定事項について.2024:52.
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230633.pdf(2025.2.20アクセス)