培養用の特殊な容器にはどんなものがある?血液培養ボトルや細菌培養容器の種類や選び方、検体採取時の注意点について解説します。

Q. 培養用の特殊な容器とは?

A.
血液のような本来無菌状態にある検体の培養には、専用の容器を使用します。採取量は決められた量に従います。

細菌培養用の容器とは?

 細菌培養用の容器には、図1に示した通りさまざまな種類があります。
 原則、滅菌済みで、採取検体が乾燥しないよう気密性の高い容器を使用します。検体の種類に応じて適切な採取容器を選択する必要があります。したがって、それぞれに取り扱い上の注意点を把握しておく必要があります。

図1 細菌培養用容器

ネジコップ
●喀痰、便など

ネジコップ

スクリューキャップ付きスピッツ
●胸水や腹水、関節液などの穿刺液、カテーテル先端など

スクリューキャップ付きスピッツ

嫌気ポーター
●嫌気性菌感染症を疑う検体

嫌気ポーター

保存培地入り輸送スワブ
●咽頭、創部、腟などのぬぐい検体

保存培地入り輸送スワブ

血液培養ボトルについての注意点

①採血は抗菌薬投与前が原則

 血液培養は敗血症や菌血症、感染性心内膜炎が疑われる場合や不明熱の場合に行われます。抗菌薬投与中の患者から採血すると、抗菌薬の影響を受けて菌の発育が抑制されてしまうことが知られています(偽陰性)。そのため、各社の血液培養ボトルには抗菌薬の影響を軽減する工夫がなされています(図2)。

 ただし、血液採取は抗菌薬投与前に行うのが原則です。やむなく抗菌薬投与中の患者に行う場合は、投与を一時中止(1~3日)したあとに行い、中止できない場合は血液中の抗菌薬濃度が最も低い時期(次回の抗菌薬投与の直前)に採血することが推奨されています1

図2 主に使用されている血液培養ボトル

BD バクテック™ 血液培養ボトル

BD バクテック™ 血液培養ボトル

(画像提供:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)

バクテアラートシリーズ用培養ボトル
●各ボトルに添加された吸着ポリマービーズ(adsorbent polymeric beads、APB)がより広域な抗菌薬中和を可能にし、抗菌薬による血液培養検査への影響を軽減(カルバペネム系薬剤も不活化することが可能)

バクテアラートシリーズ用培養ボトル

(画像提供:ビオメリュー・ジャパン株式会社)

②最適量の血液を採取する

 ボトル内の液体培地には、血液中の殺菌物質を不活化する成分が添加されており、各ボトルでその効果を維持するための液体培地と血液の最良の比率が決められています。そのため、血液培養ボトルへの血液採取量はボトルごとの添付文書に従い、最適量にしなければなりません。決められた量より多く採取した場合、血液中にある殺菌物質の不活化が不十分となり、菌が死滅して検出率が低くなる可能性があります。また、決められた量より少ない場合、検出感度が低下する場合があります。

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