各職種に対して看護師が「ココが知りたい!」と思うこと、そして各職種が「ココは私に聞いて!」と思うことを聞いてみました。

看護師から管理栄養士への質問

 特別な食事制限はないのですが、食欲がなくてなかなか食べられない患者さんを受け持っています。「最低限これだけは摂ってほしい」というものはありますか。

うめちゃん

うめちゃん

管理栄養士、7年目。整形外科・内科クリニックの管理栄養士。看護師と連携して、患者さん
の病態や生活に合わせた栄養指導をするようにしている。

栄養摂取も大事ですが、まずは患者さんの「食べたい」を尊重して

 最低限のカロリーと水分は摂取してもらいたいので、メイバランス®やエンシュア®などの経口栄養剤を活用することをおすすめします。また、栄養を十分にとることはできなくても、口当たりのよいアイスやゼリー、プリン、おかゆなどを、患者さんが食べたいときに食べてもらうのもよいと思います。好きなものや、思い出のある食べ物などを提供してあげることも、患者さんの「食べること」につながるのでおすすめです。

 ポイントとしては、「口から食べること」を大切にすることです。口から食べることは、生命維持のための栄養・水分補給だけではなく、精神面の安定にもつながり、「生きる力」となります。ひと口だけでもゼリーなどを食べられただけで、患者さんがほっとしたり、喜びを感じたりすることがあります。

 無理に栄養価の高いものを食べさせることだけが大事ではなく、患者さんが食べたいものを、食べたいときに、食べたい量を食べてもらう。これが重要だと思います。患者さんの嚥下機能や状態によって食べたいものを食べることが難しい場合は、食べたいものの食形態を変化させたり、見た目だけでも楽しめるようにしたりと、さまざまな工夫が可能だと思います。

 ぜひ、管理栄養士に声をかけてもらって、患者さんが食べたいものを食べて、生きる喜びを感じられるように連携していけるとよいですね。

多職種連携のリアル【第20回】リハスタッフが看護師に聞きたいこと(7月24日配信予定)

この記事は『エキスパートナース』2021年3月号連載を再構成したものです。
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