さまざまな人と接する機会の多いナースが、円滑な関係構築のためにできる“ちょっとした言葉選びの工夫”を紹介します。今回は、落ち込んでいる患者さんを見かけたときの対応や声かけなどです。

落ち込んでいる患者さんには、どう対応する?

落ち込んでいる患者さん1

安易な励ましは、看護師自身の心理的負担を軽くするためのもの

 病状説明を聞いて「思ったより悪い状態だった」「治療が難しいと言われた」など、病院では患者さんが落ち込むできごとは少なくありません。
 数日経っても、見るからに沈んでいる患者さんを見たとき、「元気だしてください」と患者さんに言いたくなるかもしれません。

 しかし、これは患者さんに対する看護師の“気の毒だ”という感情、看護師自身の心理的負担を軽くしようとしているにすぎません
 安易に励まされた患者さんは、誰もが感じる不安や怒りなどの気持ちに蓋をして、心理的により病的な状態に陥ってしまう可能性があります。
 または、「わかってもらえない」と孤立感をもってしまうこともあるでしょう。看護師には、患者さんの考えや気持ちを理解すること、いわゆる共感が求められます

考えや気持ちを教えて“いただく”

 では、どのように患者さんの話を聴くことが“共感”なのでしょうか。ここでは「言葉を用いて相手の感情や考えを正確に理解する」ことを共感とします。

 より正確に自分の気持ちや考えを理解しようとしてくれる相手に対して、人は“話しても安全だ”と感じやすくなります。そして、安全に話せることで、自身の考えや気持ちをはじめて整理することができます

 もちろん、1人ひとり育ちも状況も違う人間です。確かめずに相手の考えや気持ちを正確に理解することは不可能です。したがって、正確に理解するためには相手の考えや気持ちを“決めつけず”に“教えていただく”ことが必要になります。

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